卓上IHとカセットコンロで迷った時は、普段の電気代・ガス代だけなら卓上IH、停電時や屋外利用まで含めるならカセットコンロで分けて考えると判断しやすい

冬の夜に食卓で鍋を1時間温める場面なら、卓上IHは電気代が十数円〜数十円に収まりやすい
一方、カセットコンロはボンベ1本の価格と減り方で費用が変わる

ただし、災害時は話が変わる
停電中にお湯を沸かす、レトルトを温める、汁物を作るなら、電気を使わないカセットコンロのほうが役立ちやすい

この記事は、卓上IHとカセットコンロのどっちを選ぶかを、日常のコスパと災害時の使いやすさで比べる記事
卓上IHの電気代だけ、カセットボンベの備蓄本数だけ、ブレーカー対策だけを深掘りする記事とは分けて、まず全体の判断基準を整理する

卓上IHとカセットコンロはどっちが安いか

電気代とガス代だけで見るなら、基本的には卓上IHのほうが安くなりやすい

卓上IHは電気を使うため、使った時間と消費電力で費用を計算しやすい
たとえば500Wで1時間使うなら、電気料金単価31円/kWhの場合で約15.5円

1400Wで30分使う場合でも、約21.7円が目安になる
実際の鍋料理では、最初だけ強めに加熱し、沸いたあとに弱めることが多い

そのため、食卓で鍋を1時間囲むような使い方なら、卓上IHの電気代は大きく膨らみにくい

一方、カセットコンロは電気代ではなく、カセットボンベ代で見る
ボンベを何本使ったかが、そのまま費用として見えやすい

カセットコンロの中には、ガス消費量が約210g/h、連続燃焼時間が約70分前後という仕様の製品もある
強火で長く使うと、ボンベ1本に近い量を使うことがあるという見方になる

ボンベ1本を150円で買った場合、1本分に近い量を使うと150円前後
1本250円なら、同じ使い方でも250円前後になる

短時間の鍋や保温中心なら卓上IHが安く見えやすく、強火で長く使うほどカセットコンロはボンベ代が出やすい

卓上IHの電気代は鍋1回なら見えやすい

卓上IHの良さは、1回あたりの費用を計算しやすいところにある

たとえば冬の夕飯で、食卓に鍋を置いて1時間使う場面
最初の10〜15分は強めにして、煮立ったら弱火から中火に落とす

この使い方なら、最初から最後まで最大火力で回し続けるより電気代は抑えやすい
天板の上に鍋を置き、湯気が出てから火力表示を下げるだけなので、使い方も分かりやすい

使用後は、吹きこぼれた汁が天面に薄く残る程度なら、冷めてから拭き取れば済む
カセットコンロのように五徳のすき間へ汁が入り込むことは少ない

鍋を月に数回する程度なら、卓上IHは電気代だけでなく片付けの手間も読みやすい

ただし、卓上IHの電気代は契約や地域で変わる
31円/kWhは目安であり、家庭の電気料金単価によって前後する

正確に見たい場合は、使っている電力会社の単価を見て、
「消費電力kW × 使用時間 × 電気料金単価」で計算するとよい

卓上IHの電気代を細かく見たい場合は、冬の鍋1回、湯沸かし1回、保温30分のように用途を分けて考えると原因を切り分けやすい

カセットコンロのガス代はボンベ価格で変わる

カセットコンロのコスパは、ボンベをいくらで買うかで大きく変わる

ネットでまとめ買いして1本あたり130〜150円台に抑えられることもあれば、店頭で少量だけ買うと1本200円台になることもある
災害用に急いで買う場合は、安さより在庫の有無が優先になることも多い

実際にカセットコンロを毎日使っている生活例では、48本セットを購入し、1週間に4〜4.5本ほど使うという記録がある
夫婦2人、在宅時間が長く、昼も夜も調理する条件

1本あたり約134円で計算すると、週4本で約536円
週4.5本なら約603円
1か月では約2,300〜2,600円ほどになる

これは、カセットコンロが悪いという話ではない
毎日調理に使うと、ボンベ代が生活費としてはっきり出てくるということ

月に数回の鍋なら気になりにくい
けれど、キッチンのメイン調理器具として使うなら、卓上IHとの差は出やすい

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卓上IHとカセットコンロのコスパは使う頻度で変わる

卓上IHとカセットコンロのコスパ差は、電気代とボンベ代だけでなく、使う頻度、調理時間、停電時に使えるかが重なって変わる

実際の生活では、次の3つで判断すると分かりやすい

1つ目は、冬の鍋を月に数回するだけか
この場合は、卓上IHの電気代は安く見えやすい
すでにカセットコンロを持っているなら、買い替えずに使う選択もある

2つ目は、毎日の調理に使うか
昼も夜もカセットコンロで調理するなら、ボンベ交換と保管、空き缶処分まで含めて考える必要がある

3つ目は、停電時の備えを重視するか
この場合は、普段の安さだけでなく、電気が止まった時に使えるかが大きい

一人暮らしで湯沸かしや簡単な鍋が中心なら、卓上IHは扱いやすい
家族で鍋を囲む、停電時にも温かいものを作りたい、屋外でも使いたいなら、カセットコンロを残す意味がある

普段の費用だけで選ぶと卓上IH、防災や場所の自由度まで含めるとカセットコンロが候補に残る

卓上IHで困る場面は音とブレーカー

卓上IHは安く使いやすい一方で、食卓で使うと気づきやすい弱点もある

まず出やすいのがファン音
キッチンで1人で使う時は気にならなくても、夜に家族で鍋を囲むと、会話の間に低い音が残ることがある

レビューでも、食卓で使った時に音が気になり、鍋を楽しみにくかったという声がある
調理道具としては問題なくても、静かな食事を重視する家庭では見落としやすい

次にブレーカー
特に賃貸で30A契約、冬の夜、暖房、電子レンジ、炊飯器を同時に使う場面では注意したい

1200Wの暖房、700Wの電子レンジ、炊飯器に加えて、1000W以上の卓上IHを同時に使うと、電気代より先にブレーカーが問題になることがある

卓上IHは本体だけでなく、食卓の音と家全体の同時使用を見るほうが失敗しにくい

カセットコンロで困る場面はボンベ管理と掃除

カセットコンロは、コンセントから離れた座卓やリビングでも使いやすい
延長コードを引く必要がなく、土鍋、すき焼き、焼肉などにも合わせやすい

火を見ながら調整できるため、直火の感覚を残したい人には扱いやすい
10号土鍋のような大きめの鍋を使いたい場合も、対応する本体なら置きやすい

ただし、毎日使うとボンベ管理が負担になる
残量が少ない状態で鍋を始めると、途中で火が弱くなり、食卓でボンベ交換が必要になることもある

使用後の五徳まわりも見ておきたい
吹きこぼれた汁が五徳の下や汁受けに残ると、卓上IHの天面より拭き取りに時間がかかる

食後すぐに片付けるなら気になりにくい
ただ、一晩そのままにすると、翌朝に固まった汁をこする手間が増えやすい

カセットコンロは自由度が高い分、ボンベ残量、保管場所、使用後の汚れまで含めて見る道具

カセットコンロの災害時の利便性は停電で差が出る

災害時に役立ちやすいのはカセットコンロ

卓上IHは電気がある前提の道具なので、停電すると使えない
オール電化の家では、この弱点がそのまま調理手段の弱点になる

停電時に困るのは、豪華な料理ができないことではない
お湯を沸かせない、レトルトを温められない、汁物を作れないこと

夜に停電し、電気ポットもIHも使えない状態になると、温かい飲み物を作るだけでも選択肢が減る
この時、カセットコンロとボンベがあれば、最低限の湯沸かしはしやすい

実際に停電を経験した家庭でも、IHが使えず、昔使っていたカセットコンロでお湯や汁物を用意できたことが助かったという話がある

内閣府の防災情報でも、災害時の備えとしてカセットコンロとカセットボンベの用意が挙げられている
1週間を想定し、カセットボンベを多めに備える考え方も示されている

停電時は、電気代の安さより「温められる手段が残るか」が重要になる

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カセットコンロの災害時は換気と鍋の大きさを見る

カセットコンロは災害時に便利だが、使い方を軽く見ないほうがよい

室内で使うなら、まず換気
窓を少し開けられるか、換気扇を使えるかを確認してから使う

次に鍋の大きさ
大きすぎる鍋や鉄板でボンベ部分を覆うと、ボンベが熱を持ちやすくなる
安全装置が作動する場合もあり、無理に使い続けるのは避けたい

使用後は、火を消して終わりにしない
冷めたあとにボンベを外し、直射日光や高温になりやすい場所を避けて保管する

備蓄用のボンベは、押し入れの奥にしまい込むより、数を見て分かる場所にまとめるほうが管理しやすい
箱の残り本数が見えると、災害用と普段使いの区別もしやすい

防災用に持つなら、本体・ボンベ・換気・鍋サイズをセットで確認しておくと安心

カセットボンベの備蓄本数を詳しく考える場合は、人数、調理回数、冬か夏かで必要量が変わる
この記事では比較にとどめ、備蓄量は別で分けて考えるほうが整理しやすい

卓上IHとカセットコンロの買う前の確認点

卓上IHを選ぶ前に見るのは、まず使いたい鍋
土鍋、アルミ鍋、銅鍋などはIHで使えない場合がある

鍋底が平らか、IH対応表示があるか
食卓で使うなら、本体サイズより鍋を置いた時の安定感を先に見る

次にファン音
静かな食卓で鍋を囲みたい家庭では、火力や価格だけでなく、レビューで音の感じ方を見ておくと失敗しにくい

冬に暖房、電子レンジ、炊飯器を同時に使う家庭は、契約アンペアも見る
ブレーカーが落ちる場合は、卓上IH本体より同時使用が原因になっていることもある

カセットコンロを選ぶ前に見るのは、鍋のサイズとボンベ部分
鍋が本体からはみ出しすぎないか、ボンベカバーを覆わないかを確認する

そのうえで、ボンベの保管場所も決めておく
数本だけなら棚に入るが、災害用に多めに置くならスペースが必要になる

空き缶の処分も見落としやすい
毎日使うほど、空のボンベがたまりやすくなる

買う前は本体価格より、使いたい鍋、置く場所、同時使用、ボンベ管理を見るほうが現実に合いやすい

卓上IHとカセットコンロのどっちが向いているか

普段の食卓で鍋や湯沸かしをするなら、卓上IHが向いている
電気代を計算しやすく、掃除も平らな天面を拭くだけで済みやすい

一人暮らしで、キッチン以外でも軽く温めたい人にも扱いやすい
ただし、使いたい鍋がIH対応か、ブレーカーに余裕があるかは確認しておきたい

カセットコンロが向いているのは、停電時の備えを重視する家庭
また、屋外、庭先、コンセントから離れた場所で使いたい家庭にも合う

土鍋や直火調理の感覚を重視する場合も、カセットコンロのほうが使いやすい場面がある
ただし、ボンベ代、保管、換気、使用後の掃除まで含めて考える必要がある

迷った時は、どちらが安いかだけで決めない
普段の回数が多いなら卓上IH、停電時の備えを残したいならカセットコンロという分け方が現実的

まとめ

卓上IHとカセットコンロは、同じ卓上調理でも役割が違う

電気代・ガス代だけで比べるなら、普段の鍋や保温では卓上IHが安く済みやすい
特に月に数回の鍋、短時間の湯沸かし、片付けの楽さを重視するなら扱いやすい

カセットコンロは、毎日使うとボンベ代や交換の手間が見えやすい
ただし、停電時にお湯を沸かせること、コンセントのない場所で使えることは大きな強みになる

最初に見るべきなのは、価格だけではない
鍋1回の使い方、毎日の使用頻度、停電時に使いたいかを分けること

日常の食卓を楽にしたいなら卓上IH
非常時の調理手段も残したいなら、カセットコンロを安全に使える形で備えておくと判断しやすい

監修:鈴木隆
保有資格:家電製品アドバイザ