ペットの防災グッズは、フードや水を7日分そろえるだけでは足りない

犬や猫と同行避難するときに不足が出やすいのは、キャリーやケージに入れるか、荷物を持ち出せるか、避難所で受け入れ可能かが重なった時

玄関に人間用の非常用リュックを置き、その横にペットフード、水、トイレ用品、ケージを並べてみると分かりやすい
「備蓄はある」と思っていても、実際に持つと片手がふさがり、階段や雨の日の移動で急に現実味が出る

この記事では、犬・猫と一緒に避難するために必要な持ち物と、フード・水・ケージの備蓄量を中心に整理する
女性用の個別防災グッズはここでは広げず、別記事212で確認する形に分ける

ペット防災グッズは何が必要かを最初に絞る

ペット防災グッズで最優先になるのは、次のもの

  • ペットフード
  • 飲み水
  • 常備薬
  • キャリー、折りたたみケージ
  • 首輪、リード、迷子札
  • ペットシーツ、猫砂、排泄物処理袋
  • 食器
  • ワクチン証明書や写真のコピー

ここで大事なのは、買ってあるかではなく、避難時に使える状態かを見ること

フードは棚にある
でも大袋のまま

キャリーは押し入れにある
でも猫が入らない

折りたたみケージはある
でも広げたことがない

この状態だと、災害時には「あるのに使えない」になりやすい

特に犬猫の同行避難では、人間の荷物も同時に持つ
スマホ、財布、衣類、飲み水、充電器に加えて、ペット用品が丸ごと乗る

最初にやることは、ペット用の防災グッズを玄関に一度全部並べて、片手で持てる量か確認すること

ペットフードは何日分必要か

ペットフードは、最低でも5日分、できれば7日分以上を目安に備える

考え方は難しくない

普段1日に食べる量を見て、
1日分 × 7日分
で計算する

猫1匹なら、いつものドライフードを7日分
犬なら、体格や食事量に合わせて7日分

多頭飼いなら、頭数分で増える
猫2匹なら2匹分、犬と猫がいるならそれぞれ別に数える

ここで失敗しやすいのが、大袋のまま置いておくこと

家にいる時の備蓄なら大袋でもよい
でも避難時にそのまま持つと重く、開封後の管理もしにくい

実際の避難では、人間の水や衣類も同時に持つ
猫2匹と家族分の荷物を合わせると、ちょっとした旅行くらいの量になることもある

持ち出し用は、1日分ずつ小分けにしておくほうが扱いやすい

袋に「1日目」「2日目」と書いておくと、慌てた時も迷いにくい
普段食べているフードを入れ替えながら使えば、古くなったまま放置しにくい

いつものフードしか食べない犬猫は多い

災害時は、環境が変わるだけで食べなくなる犬猫もいる

避難所や車の中では、人の声、他の動物のにおい、足音が増える
普段なら食べる子でも、皿を置いただけでは口をつけないことがある

だから、防災用として急に別のフードを買うより、普段食べ慣れているものを備蓄するほうが失敗しにくい

缶詰やウェットフードを入れる場合は、開封後に食べ切れる量を見る
食器、スプーン、保存袋も一緒に置いておかないと、開けた後に困る

ペットの水は人間用と分けて考える

水もフードと同じく、最低5日分、できれば7日分を目安にする

ただし、人間用の備蓄水にペット分を足す形で考えないと、実際には足りなくなりやすい

犬は散歩後や暑い時期に飲む量が増える
猫は普段から飲水量が少なく見えても、環境が変わると器の位置やにおいで飲まなくなることがある

目安としては、普段どのくらい水が減っているかを1日だけ見る
朝入れた水が夜にどのくらい残るか
多頭飼いなら、器ごとに減り方を見ておく

水の備蓄は「何リットル買うか」だけでなく、犬猫が実際に飲む器まで一緒に考える

折りたたみ式の器や小さなボウルがあると、避難所や車内でも置きやすい
ただし、初めて使う器だと警戒する子もいるため、普段から数回使っておくほうが安心

同行避難で犬猫に必要な持ち物

同行避難の犬猫持ち物で外せないのは、フードや水だけではない

特に重要なのは、移動中に逃がさないもの避難先で管理するもの

犬なら、首輪、リード、迷子札
猫なら、キャリー、洗濯ネット、迷子札

どちらにも共通して必要なのが、ケージ、トイレ用品、写真、証明書類

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犬は首輪・リード・迷子札をすぐ取れる場所に置く

犬の場合、避難時に最初につまずくのはリード

普段の散歩用リードが玄関にあるならよいが、夜中や雨の日に慌てると、予備の首輪や迷子札まで手が回らないことがある

避難訓練では、犬、ケージ、飲食物、自分の荷物を持つだけで両手がふさがる
中型犬や大型犬なら、リードを持つ力も必要になる

さらに避難所では、他の人や犬に反応して吠えることもある
その場で抱きっぱなしになれば、飼い主の負担も大きい

犬用の持ち物は、散歩用品ではなく避難用としてひとまとめにしておく

首輪に迷子札を付け、予備リードを1本入れる
普段の散歩バッグとは別にしておくと、急な避難でも探す時間を減らしやすい

猫はキャリーと洗濯ネットを頭数分で考える

猫の場合、抱っこで避難するのは危ない

地震で慌てて帰宅し、3匹のうち1匹だけキャリーに入れ、残りを抱っこで車に乗せた体験では、避難所にいる間ずっと猫が警戒して固まっていたという話がある

猫は音や人の動きに驚きやすい
腕の中で一度暴れると、玄関前や駐車場で逃げる危険がある

多頭飼いなら、特に注意が必要
キャリーが1つだけだと、1匹は入れられても残りを抱えることになる

猫の同行避難では、頭数分のキャリーを用意し、入る練習を平時にしておく

洗濯ネットに入れてからキャリーへ移す方法もある
ただし、災害時に初めて試すと暴れやすいため、普段の通院や短時間の練習で慣らしておきたい

ペット避難所でケージが必要になる理由

ペット避難所では、キャリーやケージが必要になる場面が多い

ただし、同行避難と同伴避難は同じ意味ではない

同行避難は、ペットと一緒に安全な場所まで避難すること
同伴避難は、避難先で飼い主がペットを管理しながら過ごすこと

つまり、ペットと一緒に避難所へ行けても、同じ部屋で過ごせるとは限らない

屋内同室、屋内別室、屋外、車内待機など、受け入れ方は自治体や避難所ごとに変わる
犬猫が苦手な人、アレルギーがある人、乳幼児や高齢者も同じ場所にいる

能登半島地震でも、ペットがいることで避難所に入りにくい人、犬が吠えて1日で自宅へ戻った人、猫を車内で過ごさせた人がいた

避難所に連れて行けば大丈夫ではなく、事前にペット受け入れ条件を見ることが必要

自治体の防災ページ、避難所一覧、ハザードマップを見て、ペット同行避難の可否を確認する
できれば、風水害の前に電話や窓口で確認しておくほうがよい

折りたたみケージは広さと重さを見る

折りたたみケージは、防災用として便利に見える

ただ、見るべき場所は商品名ではなく、広げた時にトイレと寝る場所が分かれるかという点

猫なら、簡易トイレを入れても体を伸ばせるか
小型犬なら、伏せた時に鼻先やしっぽが当たりすぎないか
多頭で使うなら、2匹を一緒に入れても圧迫しすぎないか

畳んだ状態も見る
玄関に置けるか、車に積めるか、リュックや手提げと一緒に持てるか

レビューでは「2匹入れても余裕がある」「女性一人でも運べた」という声が参考になるが、家の犬猫の体格で変わる
実際に床に広げ、トイレ用品を置いて、余白を見るほうが判断しやすい

ケージは広げた状態と畳んだ状態の両方で確認する

ケージに数分入る練習をしておく

ケージは買っただけでは足りない

避難所や支援現場では、ケージに入れない犬が一時預かりの障害になることもある
外飼いに近い犬や、広い空間に慣れた犬ほど、狭い場所に抵抗を示しやすい

最初は数分でよい
扉を開けたまま入る
中でおやつを食べる
数分だけ扉を閉める
飼い主が少し離れて戻る

この順番で試すと、どこで嫌がるかが分かる

猫も同じで、キャリーを押し入れから急に出すと警戒しやすい
普段から部屋に置き、寝床の一部にしておくと、避難時の抵抗が減りやすい

防災用ケージは、災害時に初めて使う道具にしないことが大事

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ペットのトイレ用品は避難所で不足しやすい

避難所で目立ちやすいのは、フード不足だけではない

トイレ、におい、排泄物の処理も大きな問題になる

実際の避難体験では、ペット連れが体育館ではなく別室に分かれた例がある
知らない人や動物の近くで猫が吐いたり、ストレスで排泄しにくくなったりすることもある

犬や猫が悪いわけではない
環境が変わり、人の距離が近くなり、音やにおいが増えるから起きやすい

持っておきたいのは、次のもの

  • ペットシーツ
  • 排泄物処理袋
  • 消臭袋
  • 猫砂
  • 簡易トイレ
  • ウェットシート
  • 小さなゴミ袋

ペットシーツは、普段1日に何枚使うかを見る
1日2枚なら7日で14枚
多頭飼いならその分増える

猫砂は重いため、持ち出し用と在宅備蓄を分ける
普段のトイレを丸ごと持てないなら、折りたたみケージに入る簡易トイレを一度置いてみる

トイレ用品は「多めに」ではなく、普段の使用枚数から逆算する

においが気になる時ほど、袋の口をすぐ閉じられるかが大事
避難所ではゴミ出しのタイミングも普段通りではないため、密閉できる袋を分けておくと周囲に気を使いにくい

ペット防災グッズは持ち出し用と在宅避難用を分ける

7日分すべてをリュックに入れようとすると、重くなりすぎる

特に集合住宅では、階段を使う可能性がある
片手にキャリー、片手にリュック
さらに雨具や自分の靴を気にしながら動くと、思ったより負担が大きい

玄関で一度持ち上げるだけでも分かる
犬用ケージ、フード、水、トイレ袋、人間用リュックをまとめると、数歩で重さが気になることがある

だから、備蓄は2つに分ける

ひとつは、すぐ持ち出すもの
もうひとつは、在宅避難で使うもの

持ち出し用には、最初の1〜2日分を中心に入れる
フード、水、薬、リード、トイレ用品、証明書類、最低限のケア用品

在宅避難用には、残りのフードや水、猫砂、ペットシーツを置く
戸建てなら保管場所を分散し、集合住宅なら取り出しやすい低い棚にまとめる

7日分を全部背負うのではなく、持ち出し用と家に残す備蓄を分けるほうが現実的

ペットの薬と証明書類は防水袋にまとめる

持病がある犬猫は、薬の備えも重要になる

ただし、薬の量は自己判断で増やしすぎない
普段のかかりつけで、災害時の予備をどう考えるか確認しておくほうが安心

一緒にまとめたいのは、次の書類

  • ワクチン証明書のコピー
  • かかりつけ動物病院の連絡先
  • ペットの写真
  • 名前、年齢、性格、持病のメモ
  • 飼い主の連絡先

写真はスマホにも残しておく
ただ、停電や充電切れに備えて、紙でも1枚入れておくとよい

迷子になった時は、文字の説明だけより写真が早い
毛色、模様、首輪の色、体格が分かる写真を選ぶ

薬と証明書類は、フードとは別に防水袋へ入れておく

濡れたリュックの中で紙が読めなくなると困る
小さなチャック袋に入れ、キャリーや避難バッグの同じ場所へ固定しておくと探しやすい

同行避難の犬猫持ち物は災害の種類で変わる

地震と風水害では、準備の見方が少し変わる

地震は、急に起きる
キャリーやリードをすぐ取れる場所に置くことが大切になる

風水害は、ある程度前に情報が出る
台風や大雨の時は、避難所が最寄りとは限らない
洪水や土砂災害の危険がある場合、指定される避難先が変わることもある

実際に台風で猫と避難した人は、避難前に「屋内でペットを受け入れられるか」を確認してから動いていた
この確認がないと、到着してから屋外待機や車内待機になる可能性がある

都市部では車中泊がしにくい場所もある
地方では車移動できる一方で、道路状況や駐車場所の問題が出る

災害の種類より先に、自分の家からどこへ連れて行けるかを確認する

ハザードマップを見る
避難所のペット対応を見る
車で行く場合の駐車場所を見る
徒歩ならキャリーを持って歩ける距離を見る

この4つだけでも、必要な持ち物の量は変わる

ペット防災グッズは犬と猫で困る場所が違う

犬と猫では、避難時に困る場所が違う

犬は、リード管理、吠え、ケージ待機、排泄場所
猫は、キャリー拒否、脱走、トイレ、ストレス

同じ「ペット防災グッズ」でも、必要な優先順位は変わる

犬なら、まず首輪、リード、迷子札、ケージ練習
猫なら、まずキャリー、洗濯ネット、簡易トイレ、猫砂

どちらにも共通するのは、普段と同じものを使えるようにすること

避難時に初めて使うフード
避難時に初めて入るケージ
避難時に初めて使うトイレ

この3つが重なると、犬猫にも飼い主にも負担が大きい

犬猫別の細かい対策は深掘りしすぎず、この記事では持ち物と備蓄量の全体確認に絞る

猫がキャリーに入らない時の練習や、犬が避難所で吠える時の対策は、別記事で分けて考えるほうが整理しやすい

ペット防災グッズを今日確認する順番

いきなり全部を完璧にそろえようとすると、途中で止まりやすい

最初は、家にあるものを並べるだけでよい

まず玄関や床に出す
フード、水、キャリー、リード、トイレ用品、薬、書類
人間用の防災リュックも横に置く

次に、7日分を数える
フードは普段の1日量から
水は人間用とペット用を分ける
トイレ用品は普段の使用枚数から見る

その後、持つ
キャリーを片手に持ち、もう片方でリュックを持つ
階段や玄関先を数歩歩くだけでも、重さの感覚が分かる

最後に、犬猫に試す
キャリーに入るか
ケージで数分過ごせるか
折りたたみ式の器で水を飲むか

今日やるなら、買い足しより先に「並べる、数える、持つ、入れてみる」の順番がよい

足りないものは、その後に見える
最初から防災セットを買い足すより、失敗が少ない

まとめ:ペット防災グッズは7日分と使える状態を分けて考える

ペットの防災グッズは、フードや水を7日分そろえるだけでは完成しない

実際に困りやすいのは、キャリーに入らない、ケージで過ごせない、荷物が重い、避難所で同じ部屋に入れるとは限らない、トイレ用品が足りないという場面

だから、最初に見るのは商品数ではなく、避難時に使える状態かどうか

普段のフードを7日分に分ける
水を人間用とペット用で分ける
キャリーとケージを広げる
トイレ用品を使用枚数から数える
避難所の受け入れ条件を確認する

ここまでできると、足りないものが自然に見えてくる

今日から全部を変える必要はない
まずは玄関にペット用品を並べ、自分が持てる量か、犬猫が入れる状態かだけ見ておく

その一回で、ただの備蓄が、実際の避難に使いやすい準備へ近づきやすくなる

監修:佐藤進
保有資格:防災士

監修:鈴木隆

保有資格:家電製品アドバイザ