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庭木を切ろうとして電動チェーンソーを箱から出したものの、オイルをどこまで入れるのか、チェーンをどの程度張るのか分からない

初心者が最初に見るべきなのは、切断力よりも切ってよい対象、給油、チェーンの張り、安全防具の4点になる

コードレス電動チェーンソーを使う順番は、次の流れが基本

切断対象と周囲を確認する

自分で扱える作業か判断する

防護具を着ける

チェーンオイルを補給する

ソーチェーンの張りを確認する

木材を地面から浮かせて固定する

説明書に沿って試運転する

脚立が必要な枝、肩より高い枝、倒れる方向を制御しにくい立木は、本記事の対象外

地上から届かない枝は、高枝チェーンソーを扱う記事309の範囲になる

初心者が電動チェーンソーで切ってよい木材

家庭用チェーンソーで比較的扱いやすいのは、地上で安定して固定できる枝や丸太になる

庭木を切る作業には、大きく分けて2種類ある

立っている木を倒す「伐倒」と、倒した枝や丸太を短く切る「玉切り」

同じチェーンソーを使っていても、危険度は大きく異なる

立木は切り進めるにつれて重心が変わり、想定外の方向へ倒れることがある

一方、地上の丸太は固定方法を確認しやすく、切断位置も目で追いやすい

初心者が最初に扱うなら、次の条件を満たすものに限ったほうがよい

地面から浮かせて固定できる

切断中に転がらない

釘や金具が入っていない

切断後の落下方向が読める

周囲に人、車、窓、塀がない

庭木を根元付近で切る場合も、根を地中から取り除く作業とは別になる

幹を切っても根株は残るため、根の撤去までチェーンソーだけで済むわけではない

コードレス電動チェーンソーは出力だけで選ばない

初心者向けのコードレス機は、電圧が高ければ扱いやすいとは限らない

出力が上がるほど太い木を切りやすくなる一方、本体とバッテリーが重くなりやすい

腕が下がる、方向転換が遅れる、停止後も先端を安定させにくいといった負担につながる

買う前は、次の項目をまとめて見る

ガイドバーの長さ

ガイドバーは、チェーンが回る細長い板状の部分

長いほど太い木へ届きやすいが、先端が重くなり、狭い庭では取り回しにくい

切断したい木の直径だけで決めず、バッテリーを装着した状態で両手保持できるかを先に確認したい

バッテリー装着時の重量

商品ページの重量が、本体のみの場合もある

実際に持つ重さは、本体、バッテリー、チェーンオイルを含めた状態

数分持った時に先端が下がるなら、太い木を切れる性能があっても扱いやすいとはいえない

電圧とバッテリー容量

電圧は出力の目安、容量は作業時間に関係する要素になる

ただし、同じ電圧や容量でも、チェーン速度、木の硬さ、刃の状態によって切断できる本数は変わる

「何分使えるか」だけでなく、メーカーが示す条件と、自分が切る樹種や直径を照らし合わせるほうが失敗しにくい

チェーン調整とオイル残量の見やすさ

工具を使わない調整機構は便利だが、ダイヤルを回すだけで適正になるとは限らない

オイルも、自動給油という表示だけで判断せず、残量窓が見やすいか、補給口へ注ぎやすいか、吐出確認方法が説明書に書かれているかを見る

使用前は防護ゴーグルだけで済ませない

チェーンソーを使うと、細かな木くずだけでなく、樹皮や小石が飛ぶことがある

防護ゴーグルやフェイスシールドは必要だが、目だけを守れば十分というわけではない

下半身は回転するチェーンに近く、刃が外れたり、本体が跳ねたりした時に接触しやすい位置になる

作業内容に応じて、次の防具を確認したい

保護メガネまたはフェイスシールド

チェーンソー用防護ズボンまたはチャップス

滑りにくい安全靴

手に合う作業手袋

耳栓またはイヤーマフ

頭上から枝が落ちる可能性がある場合のヘルメット

防護ズボンは、普通の厚手ズボンとは構造が異なる

内部の繊維をチェーンへ巻き込ませ、回転を弱める仕組みを持つ製品がある

ただし、防護具を着けても事故を完全に防げるわけではない

防具は危険な切り方を可能にする道具ではなく、万一の被害を抑える最後の備え

首から下げたタオル、ひもが垂れた服、裾の広いズボンも避けたい

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枝や本体に引っかかると、姿勢を崩す原因になる

チェーンオイルは使用前と作業途中に見る

新品の電動チェーンソーでも、オイルを入れずに使えるとは限らない

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ソーチェーンとガイドバーは高速でこすれ合うため、オイルが不足すると摩擦と発熱が増えやすい

切れ味の低下だけでなく、チェーンやバーの摩耗にもつながる

給油前は、バッテリーを本体から外す

次に、平らで安定した場所へ置き、給油口の周囲に付いた木くずを拭く

汚れがタンク内へ入るのを避けるためだ

使用するオイルの種類と補給量は、必ず機種の取扱説明書で確認する

別の機種で使えた量や方法を、そのまま当てはめないほうがよい

給油後は、キャップを閉めた感触だけで終わらせず、次の3か所を見る

キャップが傾いていないか

給油口の周囲にオイルが残っていないか

残量窓から量を確認できるか

給油直後にキャップ周辺が濡れたままだと、使用中の漏れと、こぼしたオイルを区別しにくい

一度きれいに拭いておくと、作業後の変化が分かりやすくなる

自動給油でも吐出確認は必要

自動給油式は、タンクへ入れれば常に正常に出るとは限らない

吐出口に木くずが詰まる、オイルが減っている、保管中に漏れていたといった可能性もある

吐出の確認方法は機種によって違うため、取扱説明書に示された方法だけを使う

説明書に試運転や吐出跡の確認方法がある場合は、周囲に人がいない屋外で行う

刃を物へ接触させず、安全な向きと距離を保つことが前提になる

オイルが減らない、乾いた音がする、木に焦げた跡が付く場合は、そのまま押し切らない

バッテリーを外して十分に冷ましたあと、残量、吐出口、チェーンの状態を見直す

ソーチェーンの張りは数値だけで決めない

ソーチェーンは、ガイドバーの外周を回る刃付きのチェーン

緩すぎるとバーの溝から浮きやすく、張りすぎると手で動かしにくくなる

初心者が迷いやすいのは、調整ネジやダイヤルと、ガイドバーを固定する部分の役割が違うこと

一般的な調整では、次の順番で確認する

バッテリーを外す

本体が冷えていることを確認する

固定部を説明書どおりに緩める

ガイドバー先端を支える

調整ネジやダイヤルで張る

固定部を締める

手袋を着け、説明書の方法で動きを確認する

機種によっては、チェーンを持ち上げた時の隙間を目安にする

ただし、何mmなら正解と一律には決められない

見るべきなのは、説明書の基準に加えて次の状態

バー下面から大きく垂れていない

チェーンの駆動部分が溝から外れない

手で確認した時に滑らかに動く

固定後にガイドバーがぐらつかない

新品のソーチェーンは、使い始めに張りが変化することがある

実際、張りを確認せず使い続け、約10分後にバーがぐらつき、最終的にチェーンが外れたという初心者の体験もある

使用前だけでなく、最初の数カット後や、音・振動が変わった時にも停止して見る

熱を持った状態で無理に張り直すと、冷えた後に強く張られる場合がある

調整は取扱説明書に沿い、分からない場合は販売店やメーカー窓口へ確認したほうが安心だ

丸太は地面へ直接置かず、動かない状態にする

庭で丸太を切る時に起きやすい失敗が、切り終わる直前の地面への接触

丸太を土の上へ置いたまま上から切ると、刃が抜けた瞬間に砂や小石へ触れやすい

一度の接触でも、刃先を傷めることがある

角材やソーホースなどを使い、切断位置を地面から浮かせる

ただし、木材が転がる置き方では意味がない

切断前は、手で軽く押した時に動かないかを見る

切り落とした側が足元へ落ちない位置も確保する

木の重さが切断部分へかかると、切り口が閉じてガイドバーを挟むことがある

途中から刃が進まなくなった時は、横へこじって抜こうとしない

バッテリーを外し、木材へかかっている力を解放してから対応する

切断線が曲がった時も、腕力で本体を横へ戻さない

チェーンの片減り、張り、刃の傷み、木材の固定状態などを確認するほうが先になる

切断中は音・振動・切りくずの変化で止める

電動チェーンソーは、強く押し込めば早く切れる道具ではない

刃が正常なら、チェーンの回転で木へ入りやすい

押し込まないと進まない場合は、別の異常を疑ったほうがよい

作業中に次の変化が出たら、一度停止する

見えた変化 確認する場所

チェーンがバー下面から垂れる チェーンの張りと固定部

ガタガタした振動が増える 張り、木材の固定、刃の状態

切断線が片側へ曲がる チェーンの片減り、バー、固定状態

切りくずが細かな粉状になる 刃の摩耗や目立て、オイル供給

焦げたにおいや色が出る オイル残量、吐出口、刃の状態

バーが切断面から抜けない 木材へかかる荷重

オイル残量が変わらない 給油機構と吐出口

異常を感じたまま切り続けると、原因が1つだったはずなのに、刃の摩耗やチェーン脱落まで重なることがある

バッテリーを外し、冷えてから確認する

原因が分からない場合は自己判断で分解を進めず、公式サポートや販売店を見る

キックバックはバー先端の接触を避ける

ガイドバー先端の上側が木や枝へ触れると、本体が作業者側へ跳ね返るキックバックが起きることがある

庭では、切りたい枝だけを見ていると、先端が後ろの枝や幹へ触れやすい

狭い木立や枝が重なった場所ほど注意したい

切断前に、刃を入れる場所だけでなく、ガイドバー先端が通る空間まで見る

通常の両手式チェーンソーは、軽く感じても両手で保持する

片手操作や、胸より高い位置での使用は避ける

公表されている災害事例では、防護ズボンを着けていても切創したケースがある

防具があっても、バー先端の接触や不安定な姿勢を許容できるわけではない

木製粗大ゴミは金具を外してから判断する

不要な木製家具を小さくしたい時も、チェーンソーを最初から使うとは限らない

タンスやベッドには、外から見えない場所へ釘、ネジ、金属レールが残っていることがある

チェーンが金属へ触れると、刃を傷めるだけでなく、部品や破片が飛ぶ可能性もある

チェーンソーを使う対象は、次の条件へ絞る

金具やネジを取り外してある

ガラス、鏡、布、樹脂が付いていない

中の構造を確認できる

屋外で安定固定できる

切断後に落下や転倒を起こさない

家具の形が残ったままなら、先にネジを外し、バールや手ノコなどで分離する

チェーンソーは、分離後の木製部材を短くする工程に限定したほうが扱いやすい

釘や金具が残る家具は、粗大ゴミ解体の工具使い分けで考える範囲になる

自治体によって、木製家具や剪定枝の分別、長さ、太さ、束ね方、持込条件は異なる

切り始める前に、住んでいる自治体の案内を確認しておきたい

切ったあとで回収対象外と分かると、さらに細かくする作業が増えてしまう

片付けと保管までを作業時間に入れる

チェーンソーを使うと、切断そのものより後片付けに時間がかかることがある

庭木を切った家庭では、太い幹の切断よりも、細枝を分け、長さをそろえ、束ねる工程が大変だったという体験が見られた

作業時間を考える時は、次の工程まで含める

細枝と太い幹を分ける

自治体の指定寸法へそろえる

木くずを掃除する

本体のカバー周辺を清掃する

給油口とキャップを拭く

チェーンとバーの状態を見る

保管場所へ移す

清掃や点検の前にはバッテリーを外す

オイルと木くずが混ざると、チェーン周辺へ固まりやすい

外から見える木くずだけでなく、説明書で清掃箇所として示された部分も確認する

保管時は、取扱説明書で指定された向きと方法を優先する

本体の下には、オイルにじみを確認できる受け皿やシートを置いておくと変化に気づきやすい

数か月ぶりに出したところ、すのこを通って土間までオイルがたまっていたという利用者もいる

翌日に本体の下を見れば、給油時にこぼした跡なのか、保管中もにじみ続けているのかを分けやすくなる

高所・大木・傾いた庭木は自力で切らない

次の状態では、チェーンソーの出力より、木の倒れ方と作業環境が問題になる

脚立へ乗らなければ届かない

肩より高い位置で刃を使う

木が道路、電線、建物側へ傾いている

幹に腐りや空洞がある

切った木が別の木へ引っかかる

車、塀、窓が倒れる範囲にある

強風、雨、濡れた地面で作業する

1人で倒れる方向を管理できない

地上から届かない枝は、高枝チェーンソーの記事309で扱う範囲

大きな立木や傾いた木は、伐採業者へ相談したほうが判断しやすい

受け口や追い口を簡単にまねても、樹種、傾き、風、枝の重さで結果は変わる

不安が残る木を、初心者向けの簡易手順だけで倒そうとしないほうがよい

まとめ

初心者の電動チェーンソー作業は、チェーンオイル不足、ソーチェーンの緩み、木材の固定不足、バー先端や地面への接触が重なると、刃の脱落や事故につながりやすい

最初に変えるのは、切り方ではなく使う前の確認順序

切る対象を限定し、防具を着け、給油と張りを確認したあと、木材を地面から浮かせて固定する

数カット後に音や振動が変わったら、その場で止めて見直す

今日すぐ全部を覚える必要はない

まずは取扱説明書を開き、チェーンオイルの種類、張りの基準、調整前にバッテリーを外す手順の3か所から確認しておくと、最初の作業で迷いにくくなる

監修:佐藤進

保有資格:家電製品アドバイザ

※監修範囲は、コードレス電動工具の製品選び、バッテリー、取扱説明書に基づく使用前確認に関する内容。立木の伐倒技術や林業作業の安全性を専門的に保証するものではない