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夏、1階の部屋に入ると、フローリングだけがひんやり湿っぽい

クローゼットの下段や家具の底を触ると、空気より重い湿気が残っている

この状態は、地面から上がる水分だけで起きるとは限らない

1階の部屋が夏に湿っぽくなるのは、床下や地面側の水分、高湿度の外気、室内で発生した水蒸気、冷房で冷えた床面が重なるため

最初に見るのは除湿機の水量ではなく、いつ、どこから湿るかだ

雨の翌日に床際だけ湿るなら床下側

冷房を入れた時だけ床が冷たく濡れるなら結露

入浴や室内干しの後だけ上がるなら生活由来の水分を疑いやすい

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原因を分けてから対策するほうが、除湿剤やシートを増やし続けずに済む

1階の部屋が夏に湿っぽくなる4つの原因

1階は上階より地面に近く、床付近の空気も動きにくい

ただし「1階だから地面の湿気」と決めつけると、漏水や結露を見落とすことがある

主な原因は、次の4つに分けて考える

地面や床下から供給される水分

湿った外気の流入

入浴、調理、室内干しで増えた水分

冷房で冷えた床や壁に起きる結露

地面からの湿気を疑うのは、床に近い場所だけで異変が強く、雨の前後で変化する時

部屋全体が同じように湿るなら、外気や生活由来の水分も同時に見る必要がある

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地面や床下の水分はどう部屋へ影響するのか

床下が土のままなら、土に含まれた水分が蒸発し、床下空間の湿度を上げることがある

雨が続いた後や、敷地の水はけが悪い場所では、土が乾くまで時間がかかりやすい

床下に防湿シートや防湿コンクリートがあっても、破れ、隙間、雨水の浸入があれば、水分を十分に抑えられない場合がある

その湿った空気が床組みの内部に残ると、床材の裏側や壁際、収納の底で乾きにくくなる

ただし、地面の水分がどの建物でも同じように基礎を通過するわけではない

基礎の形、床下の防湿層、断熱材、換気方法によって、水分の通り道は変わる

見るべきなのは「地面から必ず上がるか」ではなく、床下に水分が残る条件があるかどうか

地面からの湿気を疑う3つのサイン

雨の翌日に床際だけ湿りやすい

晴れた日は気にならないのに、雨の翌朝だけ床が冷たく感じる

家具の底や巾木の近くに、湿ったにおいが残る

この変化が繰り返されるなら、地面、床下、外壁側からの水分を確認したい

特に低地、周囲に植栽が多い家、水はけの悪い敷地では、雨後の変化が手がかりになる

一日だけでは判断しにくいため、雨の前日、雨上がり、晴天翌日を比べる

天気と床際の変化が連動するかを2〜3日記録すると、原因を絞りやすい

床に近い収納から先にカビる

4月にマンション1階へ入居し、7月上旬にベッド下を開けたところ、衣装ケースと制服にカビが見つかった例がある

部屋の隅、紙箱、枕カバーにも広がり、測った室内湿度は約85%

対策後も60〜70%台から下がりにくかったという

最初に異変が出たのは、壁の上部ではなく床に近く、空気が動かない物だった

別のアパート1階では、入居約3か月で床やタンス周辺にカビが出て、置き型除湿剤が約2週間で使えなくなった例もある

ただし、どちらも室内干しや換気不足が重なっている

床付近にカビが出たことだけで、地面由来とは断定できない

確認したいのは、床から離れた棚の上との差だ

床際だけ強く、部屋中央や高い棚では弱いなら、床下側の影響を疑いやすくなる

除湿を止めると床付近だけ戻りが早い

マンション1階の北側の部屋で除湿機を使ったところ、約1時間でタンクの底に水が見え、4時間後には水位が5〜6cmほどになった例がある

目に見える水量は湿気の多さを実感しやすい

ただし、タンクの形や容量が分からなければ、他の部屋とは比較できない

さらに、除湿機が集めた水には、外気、洗濯物、家具、建材から出た水分も含まれる

除湿機に水がたまることは、床下湿気の証拠にはならない

見るべきなのは、運転を止めた後の戻り方だ

除湿停止後30分、1時間、3時間で湿度を記録し、床際だけ早く上がるかを見る

雨の翌日に戻りが早いなら、建物側の点検を考える材料になる

湿度計は床際と部屋中央を同時に測る

湿度計を棚の上に一つ置くだけでは、床付近の状態を見落としやすい

同じ型の湿度計を二つ用意できるなら、まず隣り合わせに置く

数値に大きな差がないことを確かめてから、場所を分ける

一つは床から10〜30cmほど

もう一つは部屋中央の約1mの高さ

朝、昼、夜に、次の条件も一緒に記録する

天気と前日の雨

室温と湿度

窓の開閉

冷房や除湿の運転

入浴や室内干しの有無

床を触った時の冷たさや湿り

手持ちの湿度計が48%を示しているのに、体感では明らかに湿っぽく、故障を疑った例もある

数値が不自然なら、場所の違いと考える前に湿度計同士を比べる

原因を探す時は、一つの数字より「同じ時刻の高さによる差」を見る

冷房中だけ床が湿るなら夏型結露も疑う

昼間は乾いているのに、冷房を入れてから床が冷たくなる

窓を開けた直後や、蒸し暑い外気が入った時だけ表面が湿る

この場合は、床下からの水分ではなく、冷えた床面に湿った空気が触れて結露している可能性もある

ラグやマットを敷いた場所だけ湿るなら、床と敷物の間で乾きにくくなっていることも考えたい

床面へ風を送り、窓を閉めて除湿すると改善するなら、結露側の影響が強いと見分けやすい

冷房中の床や家具裏に起きる湿りは、夏型結露の発生場所と対策を分けて確認すると原因を整理しやすい

冷房の開始後だけ湿るなら、地面より先に床表面の冷え方を見る

入浴後や室内干しの後だけ上がるなら生活由来

1階は防犯面から窓を開けにくく、外出中や就寝中に換気しづらい

浴室に換気扇がない

ワンルームで浴室と居室が近い

洗濯物を部屋で干している

この条件が重なると、地面とは関係なく室内の水分が増える

日当たりの悪いワンルームでは、入浴後から翌日の昼まで換気扇を回しても玄関床が乾かず、壁や電子レンジの隙間にまでカビが出た例がある

この状態では、床下だけでなく給気経路、浴室換気、漏水も確認したい

入浴前後だけ数値が上がり、数時間で下がるなら生活由来

雨天と関係なく床が常に濡れるなら、別の原因も疑う

床下換気口は外から見える範囲を確認する

戸建ての床下換気口は、床下の湿気を外へ逃がす通り道になる

ただし、換気口があっても、周囲が塞がれていれば空気は流れにくい

家の外周を歩き、次の状態がないかを見る

植木鉢や収納箱を密着させている

雑草や落ち葉が換気口を覆っている

後から置いた物置やデッキで塞がれている

換気口の網に土やほこりが詰まっている

基礎周りに水たまりが残っている

一つの換気口だけでなく、建物の反対側まで確認する

入口だけ開いていても、出口側が塞がれていれば風は抜けにくい

ただし、蒸し暑い外気を強制的に入れれば必ず乾くとは限らない

床下換気扇の増設や基礎部分の加工は、建物の構造を確認せずに進めないほうがよい

自分で行うのは、外から見える詰まりや遮蔽物の確認までにとどめる

床下の防湿シートと室内用シートは役割が違う

「防湿シート」と呼ばれる物には、大きく二つある

一つは、床下の土から出る水蒸気を抑えるため、土の上へ施工するもの

もう一つは、室内の床面に敷く防湿・遮熱タイプのシート

名前は似ているが、目的は同じではない

床下の防湿シートは水分の発生源を抑える

床下が土の場合、防湿シートを敷いて土からの蒸発を減らす方法がある

ただし、端に隙間がある、破れている、重なりが少ない状態では、水分が回り込みやすい

シートの上に雨水や漏水がたまれば、湿気の原因を隠すことにもなる

床下の配管、防蟻処理、点検経路へ影響するため、戸建てでも施工会社へ相談してから判断するほうが安心だ

調湿材や炭も、水分の侵入経路を直すものではない

吸湿できる量には限りがあり、置くだけで床下が乾くとは限らない

室内床面のシートは根本対策にならない

室内に敷く防湿遮熱シートは、床から感じる冷たさや湿気を一時的に和らげることがある

一方で、床とシートの間に水分を閉じ込める可能性もある

試す場合は、いきなり部屋全体へ敷かない

まず一部分だけに敷き、同時刻に次を比べる

敷いていない床との表面温度

シートをめくった裏側の湿り

においの変化

床材の色や艶

数日後のべたつき

数時間で表面が快適になっても、裏面が濡れていれば続けない

数日後や1週間後にもめくり、変化がないかを見る

室内用シートで湿気を覆い隠さず、裏面に水分が残らないかを確認してから広げる

床材や接着剤との相性、賃貸契約上の扱いもあるため、貼り付けるタイプは管理会社や床材メーカーへの確認が必要になる

賃貸アパートの1階で先にする室内対策

賃貸では、床下へ勝手に入ったり、換気扇や防湿材を施工したりしない

先に行うのは、被害を広げないことと記録を残すこと

床際の収納を一度空にする

クローゼットの下段、ベッド下、家具の底にある紙箱や布製品を出す

紙や布は湿気を抱えやすく、床に近いほど異変に気づきにくい

家具を壁から離す時は、距離だけで決めない

隙間へ手を入れ、風が通るかを見る

床と収納の底に冷たさやにおいが残るなら、除湿中は扉や引き出しを開けておく

ベッド下の収納方法そのものは別の対策になるが、ここでは床際の異変を見つける場所として確認する

除湿機は原因調査中の応急対策にする

1階の洗面所で、湿度61〜62%から約45分後に55%まで下がった例がある

除湿機は室内にある水分を減らすには役立つ

ただし、床下や漏水の原因を直す機器ではない

使う時は、運転前後の湿度、時間、窓の状態を記録する

除湿しても停止後すぐ床際だけ戻るなら、機種を増やす前に建物側を確認したい

除湿機のタンクがすぐ満水になる場合は、運転時間や窓開けとの関係を分けて考えると判断しやすい

雨上がりに窓を開け続けない

外の空気が室内より湿っている時は、窓を開けるほど水分が入ることがある

特に雨上がり、早朝、夜間、草や土が濡れている時間は注意したい

換気するなら、短時間で空気を入れ替え、その後は窓を閉めて除湿へ切り替える

「1階は風を入れれば乾く」と決めず、外と室内の湿度を比べてから窓を開ける

戸建ては床下の状態を確認してから対策する

戸建てでは、室内対策と床下対策を分ける必要がある

室内除湿は、今ある空気や家具の水分を減らすもの

床下の防湿、排水、漏水修理は、水分が入る経路を見直すもの

床下点検口から見える範囲で、次の状態があれば記録する

土が濡れている

防湿シートがめくれている

コンクリート上に水がある

木部や断熱材に変色がある

土臭さや強いカビ臭がある

配管周辺だけ濡れている

無理に床下へ入らず、点検口から写真を撮れる範囲で十分

雨の翌日と晴天が続いた後を比べると、変化が分かりやすい

床下が乾いているのに冷房中だけ室内床が湿るなら、床下より夏型結露を疑う

配管周辺だけ濡れているなら、漏水確認を優先する

床下対策は、湿気があることより「水がどこから来るか」を確かめてから進める

アパートと戸建てでは対応できる範囲が違う

賃貸アパートでは、床下や共用部を入居者だけで直せない

次の記録をそろえて管理会社へ伝えると、状況を説明しやすい

発生した日と天気

湿っている場所

床際と部屋中央の湿度

冷房や入浴との関係

カビや変色の写真

除湿後に戻るまでの時間

におい、床の沈み、水たまりの有無

分譲マンション1階では、専有部分だけでなく共用部分の防水や排水が関係する場合もある

管理会社や管理組合へ確認する範囲になる

戸建ては自分で確認できる場所が多い一方、床下換気扇や防湿施工を自己判断で増やさないほうがよい

築年数だけで決めず、床下が土かコンクリートか、防湿層があるかを確認する

地下室や半地下、擁壁に接する部屋は、1階床下とは水分の入り方が異なる

地下室の湿気対策として分けて考えるほうが原因を整理しやすい

管理会社や専門業者へ相談したい状態

次の状態は、除湿剤や窓開けだけで様子を見続けないほうがよい

晴天でも床が目に見えて濡れる

雨のたびに同じ壁際へ水が出る

巾木や壁紙の下だけ変色する

床が沈む、ふかふかする

土臭さ、下水臭、強いカビ臭が続く

配管やエアコンから水が落ちる

入居数か月で床や建具にカビが広がる

除湿しても短時間で湿度80%前後へ戻る

床が濡れる原因には、地面湿気だけでなく、雨水浸入、排水不良、配管漏水、結露もある

エアコンから水が落ちる場合は、床下対策より先にドレンや機器の確認が必要になる

水たまり、床の沈み、広範囲の変色がある時は、自己施工より記録と連絡を優先する

まとめ

1階の部屋が夏に湿っぽい時は、最初から地面の湿気と決めない

まず同じ時刻に、床際と部屋中央の湿度を比べる

次に、雨の翌日、冷房中、入浴後で変化する場面を分けて記録する

床際だけが雨後に悪化し、除湿後も戻りが早いなら、床下換気口や防湿層を確認する段階

賃貸なら写真と数値を残して管理会社へ、戸建てなら床下の水分経路を点検してから対策を選ぶ

室内用の防湿遮熱シートを試す場合も、部屋全体へ敷く前に一部分だけ

数日後に裏面をめくり、水分が残っていないかを見る

今日からすべてを変える必要はない

まず床際と部屋中央へ湿度計を置き、雨の前後を2〜3日比べる

その記録があれば、室内対策で済むのか、建物側を確認すべきか判断しやすくなる

監修:鈴木隆

保有資格:家電製品アドバイザ