防災グッズを何から揃えるか迷ったら、最初に見るべきなのは「便利そうな防災セット」ではなく、断水・停電・スマホの電池切れで数時間以内に困るもの

最優先は、非常用トイレ・水・明かりとスマホ電源の3分類
食料はその次に、普段食べられるものから少しずつ足すほうが失敗しにくい

防災リュックに全部を詰め込むと、玄関から出る前に重さで困ることがある
家に置く備蓄と、持ち出すものを分ける
ここを最初に間違えないことが、防災グッズ選びの土台になる

防災グッズは何から揃えるか迷ったら最初に困る場面から考える

防災グッズは、必要そうなものを一気に買うほど安心した気になりやすい

水、食料、ライト、トイレ用品、衛生用品、衣類、救急用品
並べると全部必要に見える

ただ、実際にリュックへ入れて背負ると印象が変わる
500mlの水を2本入れただけで約1kg増える
4本なら約2kg
そこに食料やライト、着替えまで入れると、肩にずっしりくる

玄関で背負った時は平気でも、階段を1階分下りる、片手に荷物を持つ、子どもや高齢の家族に声をかけながら動く
この場面まで考えると、防災リュックは備蓄倉庫ではなく、動くための道具として考えたほうがよい

最初に全部そろえるより、まずは困る順番を絞る

災害直後に起きやすいのは、断水でトイレが流せない、夜に部屋が真っ暗になる、スマホの充電が減って情報を見られない、飲み水が不安になるという状態

だから最初に買うものは、派手なグッズではなく、トイレ・水・明かりと電源に寄せる

防災グッズで最初に買うものは3分類に分ける

防災グッズの最初に買うものは、3つの分類で考えると迷いにくい

  • 非常用トイレ
  • 明かりとスマホ電源

この3分類は、災害直後の生活にすぐ関わる
非常食も必要だが、最初の買い物では「食べ物をたくさん買う」より、先に断水と停電に備えたほうが現実的

断水直後に困るのは非常用トイレ

トイレは、断水するとすぐ問題になる
水や食料は数時間なら調整できても、トイレは家族全員が毎日使う

水を流せない状態で、便器に袋をかける、凝固剤を入れる、使った袋を閉じる
この流れを一度も試していないと、夜中や停電中にかなり慌てやすい

停電した夜に困るのは明かりとスマホ電源

停電時は、懐中電灯が1本あるだけでは足りない場面がある

トイレへ行く
食卓に明かりを置く
手元で袋を結ぶ
ブレーカーを見る
スマホで情報を確認する

この時、片手が懐中電灯でふさがると作業しにくい
置けるランタンと、スマホを充電できるモバイルバッテリーは早めに用意したい

水は持ち出し用と家に置く備蓄で分ける

水は必需品だが、リュックに入れすぎると動けなくなる

家に置く水と、持ち出す水は分けて考える
ここを分けないと、必要量を全部リュックへ入れようとして重くなりやすい

水は買う量より、置く場所と運ぶ量を分けることが大事

非常用トイレは防災グッズの最初に買うものとして優先する

防災グッズを何から揃えるか迷った時、非常用トイレはかなり優先度が高い

水や食料に比べると地味だが、断水した時の困り方が大きい
東京都の備蓄目安では、災害用トイレは1人1日5回分が基準として示されている

3日分なら1人15回分
4人家族なら60回分
1週間分まで考えると、かなりの数になる

ただし、最初から大容量を買えば終わりではない
まずは3日分を目安に、使う流れまで確認できるものを選びたい

非常用トイレは回数だけでなく中身を見る

非常用トイレで見るのは、回数だけではない

凝固剤
便器にかぶせる袋
処理用の袋
防臭袋
手袋
消臭剤

このあたりが別々になっていると、いざ使う時に探しにくい

試しに1回分を床に並べると分かりやすい
黒い袋、凝固剤、白い処理袋、手袋がバラバラだと、暗い中では順番を間違えやすい

1回分ずつ小分けにしておくと、トイレの棚や収納箱から取り出しやすい
買う時は「何回分か」だけでなく「1回分がすぐ使える形か」を見る

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非常用トイレは袋のずれと臭いで失敗しやすい

非常用トイレを便器にセットすると、思ったより袋が動くことがある

便座を上げて外側の袋をかける
その上に内側の袋を重ねる
使った後、内側だけを外そうとすると、外側の袋までずれそうになる

この状態だと、処理の途中で手元が不安になる

外側の袋を養生テープで軽く固定する
袋を二重にする
使用後に入れる防臭袋をすぐ横に置く

ここまで試しておくと、実際の動きが想像しやすい

臭い対策も、凝固剤だけに頼らないほうがよい
袋の厚み、防臭袋、保管場所までセットで考える

非常用トイレは、使う前より使った後の置き場所で困りやすい

非常用トイレは1回だけでも試す

買った後は、実際に1回分をセットしてみる

水を流さないようにレバーへ養生テープを貼る
袋を便器にかぶせる
凝固剤をどのタイミングで入れるか確認する
処理袋を閉じるところまで手順を見る

実際に排せつまでしなくても、袋をかけて外すだけで分かることがある
袋のサイズが便器に合わない、手袋が薄い、処理袋が小さい
こうした違和感は、買った箱を眺めているだけでは気づきにくい

非常用トイレの詳しい使い方は別記事で深掘りし、この記事では「最初に買うもの」としての優先順位に絞る

防災グッズの水は備蓄用と持ち出し用を分ける

水は最初に揃えるべき防災グッズだが、全部をリュックへ入れない

飲料水は1人1日3Lを目安に、最低3日分、できれば1週間分という考え方がある
ただ、これは主に家に置く備蓄の量

1人3Lを3日分なら9L
水だけで約9kgになる
家族分をリュックで運ぶ前提にすると、かなり厳しい

備蓄用の水は家の中で分散する

在宅避難用の水は、箱買いして家に置く

置き場所は1か所に固めすぎないほうが扱いやすい
台所に全部置くと、棚が倒れた時や通路がふさがった時に取り出しにくいことがある

台所に飲料水
廊下収納に予備
寝室や玄関近くに小さめのボトル

このように分けると、夜に停電した時でも取りに行きやすい

マンションの高層階では、水を運ぶ負担が大きくなりやすい
戸建てで車がある家庭なら、ポリタンクや箱買いの置き場所も考えやすい

水の備蓄は量だけでなく、停電中でも取り出せる場所に置くことが重要

持ち出し用の水は背負える量にとどめる

持ち出し用の水は、重さとのバランスを見る

500mlを2本なら約1kg
4本なら約2kg
水だけなら軽く感じても、リュック全体ではすぐ重くなる

試すなら、リュックに500mlを2本入れて玄関から外まで歩く
余裕があれば4本に増やし、階段を1階分上り下りする

肩が痛い
片手がふさがる
足元が見にくい
小さな子どもや荷物を同時に持てない

この状態なら、リュックの水は減らして家の備蓄に回す

持ち出し用の水は、多いほど安心ではなく、動ける量であることが先

生活用水は飲料水と分けて考える

飲む水と、手を洗う水やトイレまわりに使う水は別で考える

飲料水を生活用水に使い始めると、すぐ足りなくなる
風呂の残り湯、ポリタンク、空きペットボトルに入れた水など、飲まない用途の水もあると心強い

ただし、保存状態や使い道には注意が必要
飲む水と混ざらないように、置き場所やラベルを分ける

在宅避難の備蓄量は別記事で詳しく扱い、この記事では「最初に買う水」と「持ち出す水」の分け方に絞る

防災グッズの明かりは懐中電灯だけで考えない

停電時の明かりは、懐中電灯だけでは足りないことがある

懐中電灯は移動には便利
ただ、料理をする、トイレを処理する、荷物を探す、子どもの手を引く場面では、片手がふさがる

夜に部屋の照明を消して試すと分かりやすい
懐中電灯を片手に持つと、照らした場所だけは明るい
その一方で、影が強く出て、手元の袋や小物が見にくいことがある

LEDランタンは部屋全体を照らす時に使いやすい

LEDランタンは、テーブルや床に置ける
家族で同じ場所に集まる時、トイレ前の足元を照らす時、食事をする時に使いやすい

停電した夜にスマホライトだけで動こうとすると、スマホの電池も減る
情報収集や連絡に使うスマホをライト代わりにし続けるのは避けたい

最初に買う明かりは、持つライトより先に置けるライトを考える

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ヘッドライトは両手を使う場面で差が出る

ヘッドライトは、防災グッズとして見落とされやすい

ただ、両手で作業する場面ではかなり役立つ
ブレーカーを見る
非常用トイレの袋を結ぶ
玄関で靴を履く
荷物を持って移動する

頭につけるだけで、見たい方向に光が向く
片手でライトを持たなくてよいので、作業のしやすさが変わる

防災リュックに入れるなら、小型で軽いものを1つ
部屋用にはLEDランタン
移動用には懐中電灯

この分け方にすると、停電中の使い道が重なりにくい

ライトは電池と置き場所も確認する

ライト本体を買っても、電池が切れていたら使えない

乾電池式なら予備電池
充電式なら充電残量
どちらも月1回、または季節の変わり目に確認するくらいでよい

置き場所も大事
停電してから押し入れの奥を探すと、それだけで不安になる

寝室、玄関、リビングのどこか
暗くても手が届く場所を決めておく

スマホ電源はモバイルバッテリーから揃える

スマホは、災害時に連絡、情報収集、地図、ライト、安否確認に使う

そのため、スマホの電源を守る道具は早めに必要
ただし、最初から大きなポータブル電源を買う必要はない

まずはモバイルバッテリーと充電ケーブルで十分な場合が多い

モバイルバッテリーは入れっぱなしにしない

モバイルバッテリーで失敗しやすいのは、買って防災リュックに入れたまま忘れること

いざ確認すると残量が少ない
ケーブルが入っていない
スマホの端子と合わない

この状態では使いにくい

月1回、スマホを少しだけ充電して反応を見る
ケーブルも一緒に入れる
家族で端子が違うなら、必要な種類を分けておく

モバイルバッテリーは容量より、使える状態で置いてあるかを見る

ソーラー充電器は最初の優先度を下げる

ソーラー充電器は便利そうに見えるが、初心者の最初の買い物では後回しでよい

天気、置き場所、日当たり、スマホの温度に左右される
晴れた日に充電できても、スマホ本体が熱くなることもある

災害直後に確実に使いたいなら、先にモバイルバッテリー
その後、必要に応じて乾電池式充電器やソーラー用品を足す順番が扱いやすい

非常食は防災グッズの次点として少量から試す

非常食も大切だが、最初から大量に買うと失敗しやすい

長期保存できるものでも、味が合わない
水の量を間違える
待ち時間が長い
温めないと食べにくい

このような違和感は、災害時に初めて食べると負担になりやすい

非常食は保存年数より食べられるかを見る

アルファ米や保存食は、作り方を読むだけでは分かりにくい

水を入れて何分待つのか
お湯ならどのくらい早いのか
味ムラが出ないか
袋のまま食べやすいか

休日の昼に1食だけ試すと、家族の反応も見える
子どもが食べにくい、味が濃い、柔らかいものが続くと飽きる
そう感じたら、大量購入の前に種類を変えたほうがよい

非常食は「長く置けるもの」より「実際に食べられるもの」から増やす

温める非常食は軍手や開け方も見る

缶詰や加熱袋を使う非常食は、温めた後の扱いも見る

缶が熱くて持てない
開ける道具が必要
袋から取り出す時にこぼれそうになる

このあたりは、食べる前に困りやすい

軍手、スプーン、ウェットティッシュ、ゴミ袋まで近くにあると、食べる流れが楽になる
食料だけでなく、食べた後の片づけまで考えると、必要なものが見えやすい

防災グッズは一次備蓄と二次備蓄に分ける

防災グッズは、一次備蓄と二次備蓄に分けると整理しやすい

一次備蓄は、災害直後に使うもの
二次備蓄は、家で生活を続けるためのもの

ここを分けないと、防災リュックが重くなり、家の備蓄も中途半端になりやすい

一次備蓄は防災リュックに入れるもの

一次備蓄は、持ち出す可能性があるもの

非常用トイレの一部
小さめの飲料水
ライト
モバイルバッテリー
常備薬
現金
身分証のコピー
簡単な食料
手袋
ホイッスル

このあたりを、背負える範囲に絞る

非常用トイレや水を全量入れる必要はない
すぐ必要になる分だけ入れ、残りは家の備蓄に回す

二次備蓄は家に置くもの

二次備蓄は、在宅避難で使うもの

追加の水
非常食
カセットコンロ
ガスボンベ
生活用水
ウェットティッシュ
ラップ
紙皿
ポリ袋
追加のトイレ用品
衛生用品

これらは、無理にリュックへ入れない
台所、廊下収納、玄関近くなど、取り出しやすい場所へ分けて置く

車がある家庭なら、車内に一部を置く考え方もある
ただし、高温になる時期の保管には注意したい

一次備蓄は動くため、二次備蓄は家で過ごすために分ける

後回しでいい防災グッズは基本ができてから考える

後回しでいい防災グッズは、不要という意味ではない

最初の不安を解決する道具ではない
使う条件が限られる
置き場所や点検が必要
価格が高くなりやすい

この条件に当てはまるものは、基本の備えができてからでよい

ポータブル電源はスマホ充電だけなら急がない

ポータブル電源は便利だが、最初から必要とは限らない

スマホ充電だけなら、まずはモバイルバッテリーで足りる場合が多い
冷蔵庫、医療機器、在宅勤務用機器などを動かしたい事情があるなら、次の段階で検討する

大きいものほど置き場所も必要
充電管理も必要になる

高価な電源を買う前に、まずスマホを数回充電できる状態を作る

ソーラーパネルや大型用品は条件に左右されやすい

ソーラーパネルは、天気と設置場所に左右される
寝袋、防災ベッド、簡易シャワー、大型ウォータータンクも、使う場所や家の広さによって向き不向きがある

マンションの狭い収納に大型用品を入れると、普段の生活を圧迫することがある
戸建てや車がある家庭なら置きやすいが、それでも先に必要なのはトイレ、水、明かり、スマホ電源

大型用品は、基本の備えができた後に「自分の住まいで使う場面があるか」を見てからで十分

高級な防災リュックは中身が合うかを見る

セット品の防災リュックは便利だが、中身が自分の生活に合わないことがある

非常食の味
トイレの回数
ライトの種類
水の重さ
薬や衛生用品の不足

見た目が整っていても、使う場面に合わなければ足りない部分が出る

買う場合も、届いたまま置かない
中身を出して、使う順番で並べる
リュックへ戻す時に、重さと取り出しやすさを確認する

防災リュックは重さを5分歩いて確認する

防災リュックを作ったら、必ず背負って歩く

玄関から外へ出る
廊下を歩く
可能なら階段を1階分上り下りする
時間は5分ほどでもよい

その短い確認で、肩の痛みや動きにくさが分かる

水を入れた状態で歩く

リュック確認は、中身を入れる前では意味が薄い

500mlの水を2本入れた状態
4本入れた状態
食料やライトを入れた状態

できれば、この違いを比べる

2本なら動けるのに、4本だと肩がつらい
階段でバランスを取りにくい
片手が空かない

そう感じたら、リュックの水を減らして家の備蓄へ移す

半年に1回は中身を見直す

防災グッズは、買った日ではなく使える状態で置けているかが大事

非常食の期限
モバイルバッテリーの残量
ライトの電池
常備薬の期限
季節に合う服やカイロ

このあたりは、半年に1回を目安に見る
春と秋、または防災の日の前後など、覚えやすいタイミングを決めると続けやすい

一人暮らし向けの防災グッズは別記事で分けて考える

この記事では、初心者が防災グッズを何から揃えるかに絞っている

一人暮らしの場合は、収納スペース、玄関の狭さ、帰宅困難、夜間の不安、近所に頼れる人がいるかで判断が変わる

少量で置ける備蓄
狭い部屋で邪魔にならない収納
防犯面も含めた準備

このあたりは、家族世帯の優先順位とは少し違う
一人暮らし向けの具体的な選び方は、182の記事で分けて確認したほうが分かりやすい

防災リュックの中身、非常用トイレの使い方、在宅避難の備蓄量も、それぞれ別記事で深掘りすると検索意図が重なりにくい

まとめ

防災グッズは、必要そうなものを一式で買うより、断水・停電・スマホ電池切れで最初に困るものから揃えるほうが失敗しにくい

最優先は、非常用トイレ、水、明かりとスマホ電源
非常食はその次に、普段食べられるものを少量から試す

非常用トイレは、回数だけでなく袋のずれ、臭い、処理後の置き場所を見る
水は、家に置く備蓄と持ち出し用を分ける
明かりは、懐中電灯だけでなく置けるランタンやヘッドライトも考える
スマホ電源は、まずモバイルバッテリーとケーブルを使える状態にしておく

ポータブル電源や大型の防災用品は、基本ができてからでよい
最初から全部を揃えようとするより、今日できる確認をひとつに絞る

まずは、家にあるリュックへ500mlの水を2本入れて5分歩く
そのあと、非常用トイレ1回分を並べ、ライトとモバイルバッテリーの置き場所を見る

ここまでできるだけでも、防災グッズ選びはかなり現実的になる

監修:佐藤進
保有資格:防災士

監修:鈴木隆

保有資格:家電製品アドバイザ