台風前に窓ガラスへ養生テープをバツ印に貼ると、それだけで対策できた気になる
けれど、養生テープは窓ガラスを割れにくくする補強材ではない

窓の台風対策で養生テープを貼る意味は、割れた時のガラス片を少しまとまりやすくすること
できることは飛散を減らす補助
できないことは飛来物の衝撃から窓を守り切ること

だから最初にやるのは、テープを貼ることではなく、ベランダや庭の飛来物を減らすことになる
そのうえで、カーテン、段ボール、プラダンを組み合わせるほうが、台風前の対策として現実的だ

窓ガラスの台風対策で養生テープを貼る意味

窓ガラスの台風対策で養生テープが話題になるのは、割れた時の破片を少しでもまとまりやすくするためだ
ただし、これは「割れない窓にする」という意味ではない

バツ印を貼っても、テープがない部分はそのまま残る
飛んできた枝や物干し竿、植木鉢の破片がそこに当たれば、ガラスは割れる可能性がある

実際に窓へバツ印だけを貼って見ると、中央に線は入るが、四隅や上下の広い面は空いたままになる
見た目は対策済みに見えても、窓全体を覆っているわけではない

養生テープの意味は、強度補強ではなく、割れた後の飛散軽減を狙う応急策

ここを間違えると、台風前の行動の順番までズレやすい
テープを貼る前に、まず窓へ当たりそうな物を減らす必要がある

養生テープのバツ印だけでは台風対策として足りない理由

養生テープのバツ印は、貼った部分には少し支えができる
しかし、窓ガラス全体の面で見ると、覆えていない場所のほうが多い

台風前日にホームセンターで養生テープを買い、掃き出し窓に大きくバツ印を貼る
作業自体は10分ほどで終わるため、対策した感は強い

ただ、そのあとベランダを見ると、物干し竿、ハンガー、サンダル、植木鉢が残っていることがある
この状態では、窓より先に外の物が問題になる

風そのものより怖いのは、風で飛ばされた物が窓に当たること
テープを貼る作業に時間を使っても、飛来物の原因を残したままだと効果は限られる

YKK APの台風対策の説明でも、養生テープのみでガラスを割れにくくしたり、飛散を防いだりする効果は確認できていないとされている
木材を衝突させる検証でも、養生テープだけでは飛散を避けにくく、段ボールを何枚も重ねることで飛散が低減したという内容が示されている

つまり、養生テープは最後の補助
最初に見るべき場所は、窓の外だ

窓の台風対策はベランダと庭の飛来物から始める

台風前にまず確認するのは、窓ガラスではなく、窓の外まわり
ベランダ、庭、玄関横、物干し場にある物は、強風で動く可能性がある

確認したいのは、たとえば次のような物

  • 物干し竿は外して床へ下ろすか室内へ入れる
  • ハンガーや洗濯ばさみはまとめて室内へ入れる
  • サンダルは軽くても飛びやすいので片付ける
  • 植木鉢は窓から離すか室内へ移す
  • すだれや日よけは外れないか確認する
  • ゴミ箱やベランダ収納はフタと位置を見る
  • 自転車カバーは風を受けやすいので固定を見直す

マンションのベランダでは、軽い物が隣や下階へ飛ぶこともある
戸建てでは、庭の園芸支柱や屋外用の椅子が窓に近いまま残りやすい

賃貸の場合、窓の外側へ板を固定しにくいことが多い
だからこそ、外側に何か貼るより先に、外にある物を減らす対策が取りやすい

台風情報を見てからでも、ベランダの床を10分だけ片付けると見え方が変わる
物干し竿を下ろし、植木鉢を室内へ入れ、サンダルを回収する
それだけで、窓に当たりそうな物をかなり減らしやすい

養生テープの貼り方はバツ印だけで終わらせない

養生テープを使うなら、バツ印だけで終わらせないほうがよい
バツ印は分かりやすいが、ガラス面の空きが多い

貼るなら、バツ印に加えて縦横にも貼る
窓の中央だけでなく、上下左右にも線を作ると、割れた時に破片がまとまりやすくなる

ただし、貼る本数を増やしても、窓ガラスが割れなくなるわけではない
ここは最後まで分けて考えたい

貼る前は、窓の水分と汚れを軽く拭く
ほこりが残ったままだと端が浮きやすく、強風時の振動や湿気で剥がれやすくなる

貼るタイミングは、台風が近づく前
通過後は、窓が日差しで熱くなる前に剥がす

南向きの掃き出し窓に何日も貼ったままにすると、糊残りが出やすい
剥がす時に端だけちぎれ、爪でこすることになると余計に手間が増える

養生テープは貼ることより、貼った後に早めに剥がすところまで含めて対策

長く貼りっぱなしにするほど安心、というものではない

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窓ガラスの台風対策で段ボールやプラダンを使う場面

シャッターや雨戸がない窓では、段ボールやプラダンを室内側から当てる方法が候補になる
目的は、ガラスを割れなくすることではなく、割れた後の破片や雨風の入り込みを弱めること

掃き出し窓1枚分で考えると、作業は意外に手間がかかる
窓の高さと幅を測る
段ボールやプラダンを切る
窓枠に当てる
すき間を見ながらテープで固定する

慣れていないと、ここまでで15〜30分ほどかかることがある
夕方になって風が強くなってから始めると、窓を開け閉めするだけでも落ち着かない

段ボールは1枚だと薄く、窓に当てた時に頼りなく感じやすい
2〜3枚重ねると厚みは出るが、その分だけ重くなり、テープで支える場所も増える

プラダンは軽く、水分にも比較的強い
ただし、大きな掃き出し窓では1枚で足りないことがある
上下や左右に分けて当てると、中央にすき間ができやすいので、重なる部分を数cm作っておくと扱いやすい

実際に当ててみると、難しいのは「貼ること」より「すき間を減らすこと」
窓枠の段差、カーテンレール、鍵まわりに当たり、まっすぐ固定できない場所が出る

段ボールやプラダンは、事前に窓へ当ててみるだけでも失敗に気づきやすい

台風当日に初めて切るより、平常時に窓1枚分だけでも試しておくほうが動きやすい

シャッターや後付けガードのような設備面まで検討する場合は、この記事では深追いしない
ここでは、シャッターがない窓で今日できる応急対策として、養生テープ、段ボール、プラダンの使い方に絞る

窓ガラスが割れた後を考えるならカーテンも閉める

台風中の窓対策では、カーテンを閉めることも大事になる
カーテンは飛来物を止める壁ではないが、割れたガラス片が室内へ広がる時の受けになりやすい

厚手のカーテンがある窓なら、台風が近づく前に閉めておく
レースカーテンだけの窓では受けとして弱いため、段ボールやプラダンを足すほうが考えやすい

寝室の掃き出し窓の近くに布団を敷いている場合は、台風の夜だけ寝る場所を変える
窓から離れた壁側、廊下側、別室に移るだけでも、割れた時に近づきにくくなる

小さな子どもやペットがいる家では、割れた後に近づかせない導線も見る
窓のそばにお気に入りのクッションやおもちゃがあると、普段どおり近寄ってしまうことがある

窓対策は、ガラスだけでなく、人がいる位置まで含めて考える

停電時に足元が見えないこともあるため、スリッパ、懐中電灯、手袋、ゴミ袋は窓から離れた場所に置く
割れてから探すより、先に置いておくほうが落ち着いて動きやすい

飛散防止フィルムは台風直前ではなく普段の備え

飛散防止フィルムは、台風当日に慌てて貼るものではなく、普段から準備しておく対策に近い
ガラスが割れた時に、破片が飛び散りにくくなることを狙うものだ

ただし、飛散防止フィルムも「割れない窓」に変えるものではない
飛来物の片付けやカーテンを省けるわけではない

自分で貼る場合は、端の浮きと気泡が出やすい
特に大きな掃き出し窓では、1人で貼ると途中で斜めになったり、フィルム同士がくっついたりしやすい

貼るなら、台風前日ではなく、晴れて時間に余裕がある日に作業する
端が浮いていないか、鍵まわりで引っかからないかを見る

毎年台風が気になる地域や、シャッターのない大きな窓がある家では、普段の備えとして検討する価値がある
ただ、この記事で中心にするのは、台風前に今日できる応急対策だ

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窓の台風対策でやってはいけない行動

台風前の窓対策で避けたいのは、対策したつもりで原因を残すこと
特に次の3つは見直したい

養生テープだけで安心しない

養生テープは補助であって、飛来物を止める壁ではない
バツ印を貼ったあとにベランダの物を出したままなら、順番が逆になる

テープを貼ったら終わりではなく、外の物、カーテン、窓の近くの家具まで見る

窓の外側に軽い段ボールを貼らない

外側に軽い段ボールや板を貼ると、風で外れた時にそれ自体が飛来物になる可能性がある
特に賃貸やマンションでは、外側に固定できる場所も限られる

応急的に使うなら、基本は室内側から当てる形にする
外へ何かを出すより、室内で受けるほうが管理しやすい

台風中に窓へ近づかない

強風で窓が揺れる音がすると、つい様子を見たくなる
外で何かが当たった音がした時ほど、窓の近くへ顔を寄せたくなる

けれど、割れるかもしれない窓の前に立つのは避けたい
確認するより先に、窓から離れる行動を優先する

台風中の窓は、見に行く場所ではなく、離れる場所として考える

窓ガラスの台風対策を今日やる順番

台風前に時間が少ないなら、対策は増やすより順番を決める
最初から全部やろうとすると、肝心な飛来物対策が後回しになりやすい

まず、ベランダや庭の物を室内へ入れる
次に、物干し竿、植木鉢、ハンガー、サンダルを片付ける

そのあと、窓とサッシの鍵を閉める
カーテンやブラインドを下ろす
必要な窓だけ養生テープを貼る

シャッターや雨戸がない大きな窓、不安が残る掃き出し窓には、段ボールやプラダンを室内側から当てる
最後に、窓の近くで寝ない配置へ変える

この順番なら、限られた時間でも優先順位をつけやすい
養生テープを最初の主役にしないことが大事になる

窓ガラスの台風対策は養生テープを補助にとどめる

窓ガラスの台風対策で養生テープを貼る意味はある
ただし、養生テープだけで窓ガラスが割れなくなるわけではない

バツ印は、割れた後の飛散を少し減らすための補助
強度補強として考えると、対策の順番を間違えやすい

まず見るのは、ベランダや庭の飛来物
次に、カーテンや寝る場所
そのあとで、養生テープ、段ボール、プラダンを必要な窓に足す

シャッターや後付けガード、雨戸代わりの設備まで検討する場合は、別記事175で整理する内容になる
この記事では、テープの意味を誤解している人向けに、今日できる応急対策だけに絞った

台風前に最初に変えるなら、窓にテープを貼る前に外まわりを見る
窓へ物を飛ばさない状態を作ってから、養生テープを補助として使う
この順番にするだけでも、慌てた対策になりにくい

監修:佐藤進
保有資格:防災士

監修:鈴木隆

保有資格:家電製品アドバイザ