避難所に持っていくものリストと必要最低限の個人用品
目次
夜に避難情報が出て、財布とスマホだけ持って家を出る
この状態で避難所に一晩いることになると、困るのは水や非常食だけではない
避難所に持っていくものは、常備薬、身分証コピー、現金、充電手段、衛生用品のような「自分の代わりがない物」を先に入れる
在宅避難なら、薬も着替えも充電器も家の中にある
けれど避難所では、家に戻ればある物がその場にない
水、食料、ライトは防災リュックの基本
そのうえで、一晩を乗り切るなら、自治体の備蓄だけでは補いにくい個人用の持ち物を足しておきたい
避難所に持っていくものは必要最低限を3つに分ける
避難所の持ち物は、最初から全部を入れようとすると重くなる
まずは、次の3つに分けると判断しやすい
最初に入れるもの
常備薬、身分証コピー、現金、スマホ充電、眼鏡、衛生用品
一晩用に足すもの
携帯トイレ、黒い袋、下着、靴下、タオル、防寒具、メモ紙
家に置く備蓄と分けるもの
水、非常食、カセットコンロ、生活用水、まとめ買いした日用品
避難所へ持っていくものは、家にある備蓄の縮小版ではない
背負って移動できる量の中で、避難所で借りにくい物を優先するという考え方が合いやすい
在宅避難と避難所生活の違いは「家の物を使えるか」で変わる
在宅避難では、家の中にある物を使える
冷蔵庫、布団、タオル、薬箱、トイレ用品、充電器、着替え
避難所生活では、それが使えない
体育館や公民館に着いてから、「家にはあるのに今ここにない」と気づく物が出やすい
たとえば、夜の服薬時間
薬は洗面所の棚にあるのに、避難所の床に座ってから思い出す
受付で住所を書く時に、保険証や緊急連絡先がスマホの中にしかない
そのスマホの電池が20%台まで減っていると、情報を見るだけでも不安になる
在宅避難と避難所生活では、必要な物の考え方が違う
場面 | 在宅避難 | 避難所生活 |
|---|---|---|
薬 | 家の薬箱を使える | 持って出た分だけ |
充電 | 家のコンセントを使える | 順番待ちや電源不足がある |
トイレ | 自宅トイレを使う | 断水・行列・汚れに左右される |
着替え | 家の服を選べる | 持ち出した分だけ |
書類 | 家で探せる | 紙で持っていないと確認しにくい |
寒さ暑さ | 家の服や寝具を使える | 自分で調整しにくい |
避難所用の防災リュックは、家の外で一晩過ごすための最低限に絞る
ここを間違えると、在宅用の備蓄をそのまま詰め込み、持てないリュックになりやすい
避難所に持っていくものリストは個人専用品から入れる
避難所に持っていくものリストを見る時は、食料からではなく、まず個人専用品を見る
水や食料はもちろん必要
ただ、一晩の避難所で本当に困りやすいのは、他の人の物では代用しにくい物がない時だ
床に防災リュックの中身を全部出してみると、不足は見つけやすい
薬、身分証コピー、現金、眼鏡、充電ケーブルを同じ場所に並べると、「買ってあるけれど入っていない物」に気づきやすくなる
常備薬とお薬手帳のコピーは夜と翌朝の分を見る
常備薬がある人は、まず薬を確認する
避難所で一晩過ごすだけでも、夜と翌朝の分が必要になることがある
薬そのものを入れっぱなしにしにくい場合は、薬箱や玄関近くに「避難時に持つ薬」と書いた小袋を置く
リュックの外ポケットにメモを入れておくだけでも、出る直前に思い出しやすい
お薬手帳のコピーや服薬メモもあると安心
薬の名前、飲む時間、量、アレルギーを紙で残しておくと、家族以外に説明する時にも使いやすい
薬は「あるはず」ではなく、避難する時に手に取れる場所へ置く
身分証コピーと緊急連絡先はスマホだけに入れない
避難所では、受付や安否確認で名前、住所、連絡先を書くことがある
スマホに入れていても、電池切れや通信不安で見られない場合がある
身分証、保険証、緊急連絡先、家族の電話番号は、紙でも持っておきたい
濡れないようにチャック袋へ入れる
子どもや高齢の家族がいる場合は、本人の名前、持病、薬、アレルギー、連絡先を人数分で分ける
トイレや受付で一時的に離れることがあるため、本人用のメモがあると確認しやすい
書類はコピーして、薬や現金とは別の薄い袋にまとめるほうが探しやすい

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現金は千円札と小銭に分けておく
避難時は、電子決済だけに頼りにくい
停電、通信障害、スマホの電池切れが重なると、決済アプリを開けない場面がある
避難所で買い物をしなくても、移動中の自販機、近くの店、交通手段で現金が必要になることがある
一万円札だけだと使いにくいため、千円札と小銭を分けておく
目安は、千円札を数枚、小銭を少し
普段の財布とは別に、リュックの内ポケットへ入れると抜けにくい
非常用の現金は、大きい額より「すぐ使える細かさ」を優先する
スマホ充電器とモバイルバッテリーは1回分以上を目安にする
避難所でスマホは、連絡、情報確認、地図、ライト、メモの代わりになる
だからこそ、充電が減ると不安が大きい
体育館の壁際にコンセントがあっても、自由に使えるとは限らない
順番待ちになったり、場所が遠かったり、充電中にスマホを手元に置けなかったりする
充電ケーブルだけでは足りない
モバイルバッテリーは、スマホを最低1回分充電できる容量を目安にすると考えやすい
家族で端子が違うなら、Type-C、Lightningなどを分けて確認する
短いケーブルを人数分まとめておくと、リュックの中でも絡みにくい
防災リュックに入れっぱなしのバッテリーは、数か月で残量が減る
月に一度、または季節の変わり目に残量を見ておくと、いざという時に空になりにくい
小型ライトと予備電池はスマホの電池を守るために入れる
避難所では、夜でも自分のタイミングで明かりをつけられない
共有スペースで強いライトを向けると、周囲の迷惑になりやすい
小型ライトは、手元だけを照らせる物が扱いやすい
トイレへ行く時、薬を探す時、受付でもらった紙を見る時に使える
スマホのライトでも代用できる
ただ、何度も使うと電池が減る
電池式なら予備電池を一組
充電式なら、モバイルバッテリーから充電できるか確認しておく
ライトは明るさより、手元だけを照らせる使いやすさを見る
マスクとウェットシートは一晩でも使う回数が多い
避難所では、床、机、ドアノブ、トイレ、配布物など、触れる場所が増える
手を洗いたい時に水道が混んでいることもある
マスクは、におい対策や乾燥対策にも使える
ウェットシートは、食べる前に手を拭く、床に置いた物を拭く、スマホまわりを拭く時に便利
一晩用なら、大きなボトルより小包装や薄いパックが入れやすい
10枚前後の小さなパックをひとつ入れるだけでも、使う場面はかなりある
アルコールシートは便利だが、肌が弱い人や子どもには合わないこともある
普段から使い慣れたものを選ぶほうが安心
衛生用品は量より、すぐ取り出せる場所にあるかが大事になる
携帯トイレと黒い袋は使用後の処理まで考える
避難所にトイレがあっても、いつも通り使えるとは限らない
断水、行列、汚れ、夜の移動しにくさが重なることがある
一晩なら、自分用に数回分を目安にする
家族分をすべて持つと重くなるため、人数と移動距離を見て調整したい
携帯トイレは、単体で入れるより黒い袋と一緒にする
使用後の袋、汚れた下着、見せたくないごみを分ける時に使える
小さな防臭袋もあると扱いやすい
避難所で困るのは、使う時だけでなく、使った後をどこに置くかだからだ
携帯トイレは「使えるか」より「使った後を隠せるか」まで見る
生理用品・下着・靴下は予定外の汚れに備える
生理用品は、予定日でなくても入れておきたい
災害時は買いに行けない、配布が遅い、人に頼みにくい場面がある
下着と靴下は、一組だけでも意味がある
雨で濡れた、汗をかいた、トイレで汚れた時に替えがあると落ち着きやすい
特に靴下は軽いわりに効果が大きい
避難所では靴を脱いで過ごすこともあり、床の冷えや足の不快感に直結する
下着と靴下は、多めに入れるより一組を確実に入れるほうが続けやすい

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タオルと薄手の防寒具は季節で優先度が変わる
避難所は温度を自分で調整しにくい
冬は床から冷えやすく、夏は汗や湿気で不快になりやすい
タオルは、手を拭く、首に巻く、荷物の目隠しにする、濡れた物を押さえるなど使い道が多い
厚手を何枚も入れるより、薄手を一枚入れるほうが持ち出しやすい
防寒具は、アルミブランケットや薄手の上着など、軽くて圧縮できるものを選ぶ
毛布が配られる場合もあるが、数やタイミングは選べない
ただし、この記事では眠れない時の詳しい対策までは扱わない
床の硬さ、音、明るさ、寝返りのしづらさまで見直したい場合は、関連記事「避難所で眠れない時の対策(204)」で分けて考えるとよい
ここでは睡眠対策を増やしすぎず、持ち出せる防寒と衛生に絞る
ビニール袋・チャック袋・メモ紙は分けるために使う
避難所で地味に使うのが袋類
濡れたタオル、汚れた下着、ごみ、薬、現金、コピー書類を分けられる
チャック袋は、薬や書類を濡らさないために使いやすい
ビニール袋は、ごみ袋、靴袋、汚れ物入れ、簡易防水として使える
メモ紙とペンも入れておく
スマホの電池を減らしたくない時、家族の居場所を書き残す時、避難所の掲示内容を控える時に使える
一晩だけなら不要に見えても、避難所では「書く」「分ける」「隠す」「濡らさない」が何度も出る
袋類は便利グッズではなく、避難所で荷物を崩さないための仕切りになる
避難所の持ち物は家族構成で必要最低限が変わる
必要最低限は、全員同じではない
一人暮らしなら減らせる物でも、子ども、高齢者、持病のある家族、ペットがいると省きにくい物がある
子どもがいる時は「いつもの物」を少量入れる
子どもがいる場合は、オムツ、おしりふき、ミルク、哺乳瓶、食べ慣れたおやつ、母子手帳のコピーを確認する
避難所で泣いた時のためだけではない
いつもの物が一つあると、場所が変わっても落ち着きやすい
小さなおもちゃや絵本を入れる場合は、音が出ない物にする
共有スペースでは、音や光が周囲の負担になることもある
子ども用は量より、普段使っている物を少しだけ持つほうが失敗しにくい
高齢者がいる時は薬と説明メモを分ける
高齢の家族がいる場合は、常備薬、補聴器の電池、入れ歯ケース、杖、紙パンツ、介護用品を確認する
本人が説明できない場面もあるため、薬と連絡先のメモは分かりやすくしておく
家族がそばにいても、受付やトイレで一時的に離れることはある
持病、薬、アレルギー、連絡先は、本人の荷物にも入れる
家族のリュックだけにまとめると、離れた時に確認しにくい
高齢者用の持ち物は、本人が説明できない時にどう伝えるかまで考える
ペットがいる時は自治体の受け入れ条件を先に見る
ペットがいる場合は、避難所ごとに受け入れ方が違う
同じ建物内に入れるとは限らず、別スペースになる場合もある
フード、リード、ケージ、トイレ用品、写真、ワクチン情報などは別袋でまとめる
人用の防災リュックに混ぜると、取り出す時に迷いやすい
事前に自治体の案内を見て、避難先でどの形になるか確認しておきたい
災害時に初めて調べると、行き先の判断が遅れやすい
ペット用は、人の荷物とは分けて一袋にまとめるほうが動きやすい
避難所の持ち物は季節と避難場所で少し変える
避難所が学校の体育館なのか、公民館なのか、地域の集会所なのかで過ごし方は変わる
ただし、持ち物を大きく増やす必要はない
冬は、薄手の防寒具と靴下を優先する
床や足元から冷えやすいため、軽い物で調整できるようにしておく
夏は、汗拭きシート、タオル、替えの下着、飲み水を見直す
人が集まる場所では、においや湿気が気になりやすい
徒歩で避難するなら、重さを優先して削る
車で避難できる地域でも、道路状況によって歩くことになる可能性は残る
季節差や避難所の違いは、持ち物を増やす理由ではなく、優先順位を変える理由として見る
防災リュックに入れすぎると避難所まで持てない
避難所に持っていくものを調べると、リストはどんどん増える
けれど、防災リュックは持てなければ意味がない
玄関から指定避難所まで歩く
階段を降りる
雨の中で傘を持つ
子どもの手を引く
この状況で、両肩に食い込むほど重いリュックは危ない
特に夜間は足元も見えにくい
一度、実際に背負って歩いてみると分かりやすい
玄関から外まで、できれば5分ほど歩く
肩が痛い、片手がふさがる、階段でふらつく
その状態なら、便利グッズより水・薬・書類・充電・衛生用品を残して減らす
防災リュックは、置いてある時ではなく背負って歩いた時に判断する
避難所へ行く直前に入れるものはリュックの外にメモする
防災リュックには、入れっぱなしにできる物と、出る直前に入れる物がある
入れっぱなしにできる物は、ライト、袋類、携帯トイレ、タオル、コピー書類、現金、衛生用品、予備ケーブルなど
直前に入れる物は、スマホ、常備薬、眼鏡、財布、鍵、普段使いのモバイルバッテリーなど
ここを分けないと、普段使う物をリュックに入れっぱなしにできず、結局入っていない状態になりやすい
リュックの上部や玄関の見える場所に、短いメモを置く
「薬」「眼鏡」「スマホ」「財布」「鍵」だけで十分
夜中に避難する時、雨音や通知音で焦ると、普段なら忘れない物を忘れやすい
文字で見える場所にあるだけで、手が止まりにくくなる
直前に入れる物は、記憶ではなくメモで拾う
まとめ
避難所に持っていくものは、非常食や水だけで考えないほうがいい
一晩を乗り切る時に困りやすいのは、避難所で配られる物では代わりにくい個人用の持ち物
常備薬、身分証コピー、現金、スマホ充電、ライト、衛生用品、携帯トイレ、袋類、防寒具
このあたりを先に入れておくと、「家にはあるのに今ここにない」という困り方を減らしやすい
在宅避難なら家の物を使える
避難所生活では、家に戻れない前提で一晩分を背負って持つ必要がある
まずは防災リュックを一度開ける
薬、現金、コピー書類、充電まわり、携帯トイレが入っているかだけ見る
全部を今日そろえなくてもいい
最初に足すなら、自分の代わりがない物をひとつだけ入れる
そこから始めるほうが、防災リュックは続けやすくなる
監修:佐藤進
保有資格:防災士
監修:鈴木隆
保有資格:家電製品アドバイザ
