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停電でスマホを充電できない時に怖いのは、電池残量そのものより、連絡、復旧情報、避難判断を確認できなくなることにある

モバイルバッテリーを持っていても、停電が一晩以上続けば再充電できない

車で充電できても、ガソリン待ちや道路の混雑で自由に動けないことがある

だから停電対策では、電源を増やすだけでなく、災害時にスマホのバッテリーを節約する設定を先に済ませておきたい

この記事で扱うのは、モバイルバッテリーの容量選びではない

停電で充電できない時間を前提に、スマホ本体の消費をどう減らすか、どの設定を先に見るかという対処法に絞る

停電でスマホを充電できない時に困るのは残量より情報が切れること

停電直後にスマホの残量が80%あっても、復旧が数時間後なのか翌日なのか分からないと安心しにくい

北海道胆振東部地震の停電体験では、電気が戻るまで2日ほどかかり、スマホの充電マークが減るたびに使用を控えるようになった例がある

携帯電話会社の前に充電待ちの列ができ、普段なら数分で済む充電が、災害時には順番待ちの行動になった

困るのは、スマホが0%になった瞬間だけではない

残量が60%になると、復旧情報を見る回数を減らす

40%になると、家族への連絡を短くする

20%になると、ライトや地図を開くのも迷う

残量が減るほど、スマホを使う判断そのものが小さくなる

一人暮らしなら、避難先や連絡先を自分で確認する必要がある

家族世帯なら、誰のスマホを残すかを決めておかないと全員で同じ情報を調べてしまう

車がない家庭では、車載充電を前提にできない

停電時のスマホ対策は、電源の数だけでなく、使う回数を減らす準備まで含めて考えるほうが現実的だ

災害時のスマホバッテリー節約は低電力モードから始める

停電に気づいたら、最初に見るのはニュースアプリではなく、低電力モードの場所

iPhoneなら「低電力モード」

Androidなら機種によって「バッテリーセーバー」「省電力モード」「長持ちモード」などの名前で用意されている

低電力モードにすると、バックグラウンド更新、自動同期、画面表示、アプリの動きが抑えられる

ひとつずつの差は小さくても、停電中は数時間、一晩、翌朝まで積み重なる

停電を想定して平常時に設定画面を開いてみると、低電力モードの場所は機種ごとにかなり違う

家族のスマホまで確認すると、親の端末では設定の階層が深く、いざ暗い部屋で探すには少し面倒だった

停電してから探すのではなく、明るいうちに1回だけ場所を見ておく

これだけで、停電直後の操作がかなり減る

おすすめは、充電が切れそうになってからではなく、停電に気づいた時点で切り替えること

残量が80%でも早めに低電力モードへ入れておくほうが、あとで使える余白を残しやすい

停電時のスマホ節電設定は画面の明るさと自動ロックを見る

停電中のスマホは、通信だけでなく画面表示でも電池を使う

部屋が暗くなると画面を明るくしたまま使いがちだが、夜の室内なら最大輝度でなくても文字は読める

実際に暗い部屋で明るさを30%前後に下げて、地図とニュースページを開くと、文字確認だけなら十分に読めることが多い

先に見る設定はこのあたり

画面の明るさを手動で下げる

自動ロックを短めにする

常時表示ディスプレイを切る

ダークモードに切り替える

通知で画面が何度も点灯しないようにする

特に見落としやすいのは自動ロック

停電中に机へ置いたまま画面が1分、2分、5分と点きっぱなしになると、それだけで残量を削る

夜の在宅避難なら、まず明るさを30%前後に下げる

読みにくい時だけ一時的に上げ、確認が終わったらすぐ戻す

画面は「見える範囲で低く、消えるまでの時間は短く」が基本になる

スマホの設定画面を撮っておくなら、低電力モード、明るさ、自動ロックの3つを並べると違いが伝わりやすい

紙に設定手順を書いて防災ポーチへ入れておくと、スマホを開かずに操作を思い出せる

スマホの通信設定は停電中につけっぱなしにしない

災害時は通信が不安定になることがある

電波が弱い場所では、スマホがつながる先を探し続けるため、バッテリーを消費しやすい

2019年の台風15号の停電体験では、朝は携帯が通じていたものの、昼ごろからスマホのネットがつながりにくくなり、電話もかろうじてという状態になった例がある

この時に困るのは、スマホ本体の残量だけではない

ネットが不安定で何度も再読み込みし、そのたびに画面と通信で電池を使うこと

使っていない通信は、停電中だけでも絞る

自宅のWi-Fiが使えないならWi-Fiを切る

使っていないBluetoothは切る

地図を使わない時間は位置情報を切る

自動同期が多いアプリは一時的に止める

動画や画像の多いSNSは確認時間を決める

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ただし、機内モードを入れっぱなしにするのは注意が必要

家族からの電話や緊急連絡を受けられない場合がある

使いやすいのは、通信する時間を決める方法

たとえば、停電直後に家族へ連絡

その後は30分に1回、または1時間に1回だけ通信をオンにして、停電情報と安否連絡を確認する

寝る前に20%を切っているなら、確認回数をさらに減らす

つながらない通信を何度も開くより、確認する時間を決めるほうが電池を守りやすい

災害時のスマホ通知は必要な連絡だけ残す

停電中は、通知が来るたびにスマホを見てしまう

通知音が鳴る

画面が光る

ロックを解除する

つい別の情報まで見る

この流れが続くと、使ったつもりがなくても残量は減る

災害時に残したい通知は限られる

家族や同居人からの連絡

自治体や防災アプリの通知

緊急速報

電力会社や通信会社の復旧情報

職場や学校からの連絡

一方で、買い物アプリ、動画アプリ、ゲーム、SNSのおすすめ通知は、停電中の優先度が低い

平常時に通知設定を見直してみると、普段は気にしていないアプリがかなり多い

通知を完全に切らなくても、ロック画面に表示しない、音を鳴らさない、通知の要約だけにするなど、減らし方はいくつかある

家族連絡用のアプリだけ通知を残す設定にすると、停電中に「どの通知を見るべきか」が迷いにくい

通知を減らす目的は、電池だけでなく、スマホを開く回数そのものを減らすこと

停電時の情報収集は開きっぱなしにせず時間を決める

停電すると、同じ情報を何度も見に行きたくなる

電気はいつ戻るのか

避難所は開いているのか

近くの店は営業しているのか

通信障害は起きていないか

家族は無事か

確認したいことは多い

ただ、SNSやニュースを開きっぱなしにしても、残量は戻らない

在宅避難なら、最初の30分でやることを絞ると使いやすい

まず家族へ安否連絡

次に自治体や電力会社の情報を確認

必要な情報はスクリーンショット

その後は30分後、または1時間後に再確認

家族が4人いるなら、全員が別々に検索するより、1人が情報を確認して口頭で共有するほうが電池を残しやすい

連絡用のスマホを1台決めておくと、家全体の残量管理もしやすい

情報収集は回数を増やすより、見る時間と担当を決めるほうが続けやすい

停電前にスマホへ保存する情報は検索し直さないものに絞る

停電中にネットがつながりにくくなると、スマホの充電が残っていても必要な情報へたどり着けないことがある

事前に保存しておきたいのは、停電中に何度も検索しそうな情報

家族の電話番号

職場や学校の連絡先

自治体の防災ページ

避難所の住所

自宅周辺の地図

ハザードマップ

電力会社の停電情報ページ

通信会社の障害情報ページ

スクリーンショットでもいい

メモアプリに貼ってもいい

紙に印刷して玄関や防災ポーチに入れてもいい

「避難所 どこ」

「停電 復旧 いつ」

「電力会社 停電情報」

この検索を停電中に何度も繰り返すと、通信と画面点灯で電池を使う

一人暮らしなら、避難先と緊急連絡先を紙にも残す

集合住宅なら、エレベーター停止時に使う階段や共用部の暗さも想定しておく

家族世帯なら、集合場所と連絡する順番を決めておく

スマホのバッテリー節約は、停電中に検索しないで済む準備から始まる

スマホライトは停電中の長時間照明に使いすぎない

停電すると、スマホのライトはすぐ使いたくなる

ブレーカーを見る

玄関の荷物を探す

トイレへ行く

子どものそばを照らす

短時間の安全確認には便利だが、長く照らし続けるとバッテリーを消費する

スマホは連絡と情報収集に残したいので、照明は別で用意しておくほうが扱いやすい

懐中電灯、ヘッドライト、ランタンがあると、スマホを持ち歩く時間を減らせる

特にヘッドライトは両手が空くため、暗い中で荷物を出す時や、ブレーカーまわりを見る時に使いやすい

ここで大事なのは、スマホライトを禁止することではない

必要な時は使ってよい

ただし、部屋の照明代わりに長時間つけっぱなしにしない

スマホライトは短時間の確認用、長く照らす役割は別の照明に分ける

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車でスマホを充電できる場合も節電設定を先に済ませる

車のUSB端子やシガーソケットでスマホを充電できる家庭もある

ただし、災害時は車があれば安心とは言い切れない

北海道のブラックアウト体験では、停電から24時間以上たった朝、スマホ残量が底をつきそうになり、子どもを乗せてガソリンスタンドへ向かった例がある

給油には2時間待ち、給油額にも制限があり、その待ち時間に車でスマホを充電していた

車で充電できること自体は助けになる

ただ、信号停止、渋滞、給油待ち、ガソリン残量、子連れ移動、暑さや寒さが同時に出る

車載充電器を持っている場合も、平常時に一度だけ確認しておきたい

ケーブルが合うか

USB端子で充電マークが出るか

エンジン停止中に使えるか

充電速度が遅すぎないか

停電してからケーブルが合わないと分かると、車があっても役に立ちにくい

ただしこの記事の中心は、車載充電器の選び方ではない

車で充電できる場合でも、家の中で低電力モード、画面、通知、通信を先に絞るほうが重要になる

車は補助、スマホ側の節電設定は最初に済ませるものと考える

モバイルバッテリーは停電中の使い方だけ決めておく

モバイルバッテリーは停電時の基本装備になる

ただし、ここでは容量や出力などのスペック選びには深入りしない

家族人数別の容量、出力、台数の考え方は「189:災害用モバイルバッテリーの選び方」で分けて確認するほうが分かりやすい

この記事で決めたいのは、持っているモバイルバッテリーを停電中にどう使うか

台風停電の体験では、10,000mAh以上のモバイルバッテリーを複数持っていても、停電中はそれ自体を再充電できず、充電が間に合わないと感じた例がある

持っている数だけで安心しないほうがいい

使う順番を決めておかないと、全員のスマホを中途半端に充電して終わることがある

決めておきたいのはこの3つ

誰のスマホを連絡用として優先するか

何%を切ったらモバイルバッテリーを使うか

100%まで戻すのか、30〜50%で止めるのか

停電中は、全員のスマホを満充電に戻すより、連絡用の1台を残すほうが現実的な場面もある

モバイルバッテリーは満充電にする道具ではなく、連絡を切らさないための予備電源として使う

停電前のスマホ節電チェックは紙にも残す

停電してから設定を探すと、焦りや暗さで操作しにくい

平常時に一度、スマホの中と紙の両方で「停電時にやること」を残しておくと扱いやすい

確認する順番は、複雑にしなくていい

低電力モードの場所を見る

画面の明るさを下げる

自動ロックを短くする

不要な通知を減らす

Wi-Fi、Bluetooth、位置情報の切り替え場所を見る

防災アプリと自治体情報を確認する

家族連絡用アプリを決める

避難所や地図を保存する

スマホ以外の照明を用意する

充電ケーブルの置き場所を固定する

スマホのメモアプリだけに残すと、停電中にそのメモを見るためにまたスマホを開くことになる

紙に短く書いて、玄関、防災リュック、寝室のどこかへ入れておくほうが使いやすい

実際に紙へ書くなら、細かい説明より順番だけで十分

「低電力」

「明るさ30%」

「通知は家族と防災だけ」

「情報確認は30分後」

「ライトは別」

このくらい短いほうが、暗い部屋でも見返しやすい

停電時の設定メモは、スマホを使わずに見られる場所へ置く

停電時にスマホを充電できない不安は減らさない使い方で変わる

停電でスマホを充電できない不安は、充電器がない不安だけではない

復旧情報を見たい

家族に連絡したい

避難するか判断したい

でも残量が減るのが怖くて開けない

この状態を減らすには、電源確保と同じくらい、スマホ本体の節電設定が大事になる

最初に変えるのは、低電力モード

次に画面の明るさと自動ロック

そのあと通知と通信を絞り、情報収集の時間を決める

モバイルバッテリーの容量や出力は、別記事で確認すればいい

この記事で先に済ませたいのは、充電できない時間を前提に、スマホの減り方を遅くする準備

今日から全部を整える必要はない

まずは今夜、低電力モードの場所を開いて、画面の明るさを30%前後まで下げてみる

その状態で地図や連絡先が読めるか確認するだけでも、停電時に最初に何をすればいいか見えやすくなる

監修:佐藤進

保有資格:家電製品アドバイザ、防災士