エアコン 外出時間 消す買い物前に迷う三十五分の境目
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真夏の午後、買い物へ35分だけ出る時
エアコンを消すか、そのままにするかは迷いやすい
外出が35分前後なら、真夏の日中はつけっぱなしが有利になる場合がある
一方、1時間以上留守にするなら、電気代だけでは消す側が有利になりやすい
ただし、35分や1時間は全国共通の境界ではない
外気温、時間帯、窓からの日射、部屋の断熱性によって、帰宅までの室温上昇が変わるためだ
24時間つけっぱなしにした場合も、必ず安くなるわけではない
大切なのは、外出時間と室温の上がり方をセットで見ること
外出35分と1時間では判断が変わる
外出時間ごとの目安を先に整理すると、次のようになる
外出時間 電気代だけで見た目安 判断が変わりやすい条件
10〜20分 つけっぱなし寄り 真夏の日中、帰宅時間が確実
30〜35分 条件によって分かれる 外気温、日射、時間帯、建物
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1時間 消す側が有利になりやすい 誰も室内に残らない場合
2〜3時間 消す側が優勢 帰宅前に再運転できると快適
半日以上 基本は停止を検討 ペットや高齢者が残る場合は別
35分前後は、つけっぱなしと停止の差が小さくなりやすい時間帯
予定が延びて1時間近くなるなら、最初から消したほうが電力を抑えやすい
反対に、コンビニへ行くだけなのに10分で停止と再起動を繰り返す使い方は、節電につながらない場合がある
「30分なら必ずつける」「1時間なら必ず消す」ではなく、帰宅時刻がどこまで確実かを見る
エアコンは再起動した直後に強く動きやすい
冷房をつけた直後、室内が設定温度より暑いと、エアコンは温度差を縮めるために強く運転する
主に負荷がかかるのは、冷媒を循環させる圧縮機
室温が安定した後より、運転開始直後のほうが消費電力は上がりやすい
たとえば、冷房26℃で部屋が安定していたところを停止し、室温が29℃まで上がった場合
再起動後は、その3℃の差を縮めるために出力が上がる
一方、エアコンをつけたままなら、設定温度を維持する弱い運転へ移りやすい
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これが、短時間の外出ではつけっぱなしが有利になることがある理由
ただし、停止中は電力をほとんど使わない
外出が長くなるほど、この停止時間の節約分が大きくなる
再起動時の電力増加より、停止中に使わなかった電力のほうが大きくなる地点が境界になる
「35分」は真夏の日中に行われた実験の目安
35分という数字は、どの家にもそのまま当てはまるものではない
ダイキンが2016年8月に行った実験では、次の条件で比較されている
大阪市内のRC造マンション
約14畳
主に14畳用のエアコン
冷房26℃
風量自動
最高気温36.3〜36.9℃
日中9時〜18時
この条件では、日中の外出が約35分までなら、停止して再起動するより、運転を続けたほうが消費電力量を抑えられる計算になった
一方、18時〜23時の夜間では境界が約18分まで短くなっている
夜は外気温が下がり、停止後に室温が上がりにくい
再起動時に必要な冷房能力も小さくなるため、停止側が有利になる時間が早く訪れる
つまり、35分は「エアコンの共通ルール」ではなく、猛暑日の昼間に行われた一つの実測結果
曇りの日や夜間まで、同じ35分を当てはめないほうがよい
30分停止すると温度より湿度の差が出やすい
同じ実験では、30分外出した後の室内環境も比較されている
つけっぱなしにした部屋は、帰宅時に室温26.5℃、湿度69%
30分停止した部屋は、室温27.5℃、湿度77%だった
室温差は1℃でも、湿度は8ポイント違う
玄関を開けた瞬間に感じる「もわっとした暑さ」は、室温だけでは判断できない
汗が引きにくい、着替えている間も蒸し暑いと感じるなら、湿度上昇の影響も考えられる
子どもを連れて帰宅し、そのまま料理を始める場面では、この差が負担になりやすい
反対に、一人暮らしで帰宅後すぐシャワーを浴びるなら、多少の室温上昇を受け入れて停止する考え方もできる
35分前後では、数円の差だけでなく、帰宅直後の温度と湿度も判断材料になる
外出が1時間なら消す側が有利になりやすい
ダイキンの生活スケジュールを想定した比較では、次の外出が設定されていた
午前中の買い物で1時間
午後の送迎で30分
夕方の散歩で30分
夜の外食で2時間
運転を続けた部屋の消費電力量は5.7kWh
外出時に停止した部屋は4.4kWhだった
当時の27円/kWhで計算すると、つけっぱなしは153.9円
外出時に停止した場合は118.8円となり、1日35.1円の差が出ている
差が広がったのは、1時間の買い物と2時間の外食中
停止時間が長くなり、使わなかった電力が再起動時の増加分を上回ったと見られる
そのため、人も動物も残らず、外出が1時間を超えることが確実なら、電気代だけでは停止を選びやすい
ただし、50分で帰る予定が買い物や送迎で長引くこともある
30分と1時間の間で迷う時は、予定時間ではなく、遅れた場合の最大時間で考えるほうが失敗しにくい
時間帯と部屋の条件で境界は前後する
同じ30分でも、部屋の温まり方は同じではない
特に差が出やすいのは、窓から入る日射と外気温
西向きの部屋や最上階では、午後に天井や窓まわりへ熱がたまりやすい
停止後の室温が短時間で上がるなら、つけっぱなし側へ傾きやすい
北向きの中間階や、日射が入りにくい部屋では、停止しても温度が急上昇しない場合がある
その場合は、短めの外出でも停止側が有利になる可能性がある
木造とRC造、新しい住宅と古い賃貸でも結果は変わる
ただし、建物の種類だけで決めるのは難しい
同じRC造でも、西日が強い最上階と北向きの中間階では条件が違うためだ
住宅名や構造より、停止後30分で室温が何℃上がるかを見たほうが判断しやすい
自宅では35分と1時間を同じ条件で比べる
自宅に合う境界を知りたい時は、温湿度計と電力会社の使用量画面を使って比べる
特別な機器がなくても、まず室温と湿度だけ確認すればよい
比較する時は、次の順番で見る
外出直前の室温と湿度を記録する
冷房の設定温度と風量をそろえる
近い外気温の日に35分と1時間を試す
帰宅直後の室温と湿度を見る
再起動から15分後、30分後も確認する
1回だけでは、雲や風、日射の違いが混ざりやすい
できれば似た天候の日に3回ほど確認し、毎回同じ傾向になるかを見る
たとえば35分停止しても、帰宅時に室温が1℃以内しか上がらず、湿度も大きく変わらないなら、停止を選びやすい
反対に、30分で室温が2〜3℃上がり、再起動して30分たっても蒸し暑いなら、短時間外出では運転を残す考え方もできる
リモコンの設定画面と温湿度計を同時に見ると、条件の違いを確認しやすい
電力会社のアプリで時間別使用量を見られる場合は、外出した時間帯だけを比べる
最初に試すなら、真夏の日中の35分と1時間を分けて記録する
24時間つけっぱなしの電気代は定格値だけでは出せない
エアコンを24時間つけっぱなしにした電気代は、カタログの定格消費電力を24倍するだけでは正確に出せない
たとえば、定格消費電力590Wの機種を31円/kWhで計算すると、1時間あたり約18.3円になる
590W ÷ 1,000 × 31円 = 約18.3円
この数字を24時間分にすると、約439円
30日なら約1万3,170円となる
ただし、この計算は24時間ずっと590Wで動いた場合
実際のインバーターエアコンは、設定温度に近づくと出力を下げる
夜間や室温が安定した時間は、定格より少ない電力で動く場合が多い
反対に、次の条件では強い運転が長引きやすい
外気温が高い
西日が長時間入る
窓の面積が大きい
人の出入りが多い
設定温度が低い
部屋に対して能力が不足している
24時間の概算を出す時は、定格値ではなく実際の使用電力量を見る
計算式は次の形で十分
1日の使用電力量kWh × 契約中の電力単価 = 1日の電気代
1日4kWhなら、31円/kWhで約124円
1日6kWhなら約186円になる
月額へ直す時は、この金額に運転日数を掛ける
電力単価は契約や時期で変わるため、請求書に記載された単価を使うほうがよい
月の請求額だけではつけっぱなしの効果を判断できない
生活者の体験を見ると、24時間運転の請求額には大きな幅がある
築15年、約100㎡の3LDK賃貸で暮らす家庭では、夏の電気代が月3万円を超えていた
家族が別々の部屋で冷房を使い、暑くなると24℃へ下げる
寒くなると上げ、再び暑くなると下げる使い方を繰り返していた
運転音が強くなるたび、エアコンが高い出力で動いている様子も感じていたという
その後は、頻繁な温度変更や複数部屋の無駄な運転を見直し、家電全体の使い方も変更
結果として、夏の電気代は約1万円下がったと記録されている
ただし、これはつけっぱなしだけの効果ではない
サーキュレーターや他の家電、複数台運転の見直しも含まれる
別の香川県の2LDKでは、6畳の昆虫飼育室を24℃に保ち、年間を通して冷暖房を使っていた
住宅全体の請求額は、2023年7月が12,880円
8月は12,958円だった
この家にはワインセラーや冷凍庫があり、リビングでもエアコンを使用
示されているのは、エアコン単体ではなく住宅全体の金額になる
注文住宅で太陽光発電を使う家庭では、売電分を差し引いた負担を月3,000〜5,000円程度と感じた例もある
同じ「24時間つけっぱなし」でも、太陽光発電、住宅性能、使用台数で数字は大きく変わる
月額だけを見る時は、エアコン単体か、家全体か、売電相殺後かを先に分ける
設定温度を頻繁に変えると比較しにくくなる
外出時間による差を見たい時に、設定温度まで毎回変えると結果が分からなくなる
暑いから24℃へ下げ、寒くなったら28℃へ上げる
また暑くなったら24℃へ戻す
この使い方では、そのたびにエアコンの出力が変わるため、外出中に停止した影響だけを切り分けにくい
まずは設定温度を固定し、風量は自動で比較する
その状態で、35分と1時間の差を見るほうが判断しやすい
設定温度と自動運転による違いは、外出時間の判断とは分けて考えたほうがよい
一般的な夏の節電方法まで広げると、何を変えた結果なのか見えにくくなる
室外機の日除けも、この記事では外出時間の判断と分けて扱う
西日や高温で負荷が大きい場合は、室外機の日除けによる電気代の違いも確認したい
人やペットが残る時は時間だけで決めない
外出時間別の基準は、室内に誰も残らない場合の電気代を考えた目安
ペット、高齢者、乳幼児などが室内にいる時は、35分や1時間だけで停止を決めないほうがよい
部屋の日射や風通しによっては、短時間でも室温が上がる場合がある
温度管理が必要な医薬品や生体がある時も同じ
遠隔操作できるエアコンでも、通信障害や設定ミスが起きる可能性は残る
帰宅前の再運転だけに頼らず、室温が上がった時の影響まで考えておく
安全面が関わる場合は、数十円の差より室内環境を優先する
まとめ
エアコンを外出中につけっぱなしにするかは、時間だけでは決まらない
真夏の日中の特定条件では、35分前後まで運転を続けたほうが電力を抑えられた例がある
一方、1時間以上の外出では、停止中に使わない電力が再起動時の増加分を上回りやすい
24時間運転の電気代も、定格消費電力の24倍では判断できない
外気温や日射によって、運転中の出力が変わるためだ
今日から全部の条件を計算する必要はない
まずは、真夏の日中に35分外出した時の帰宅直後の温度と湿度を見る
次に、同じ設定で1時間停止した日と比べる
その差が分かれば、自宅では何分を境に消すかを決めやすくなる
監修:鈴木隆
保有資格:家電製品アドバイザ
